表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/471

第一章『武霊のある町』21

  ★美羽★

 「撃ってコウリュウ!」

 私の命令に、コウリュウは従わなかった。

 戸惑う様に私を見るコウリュウ。

 ごめんねコウリュウ。あなたに人殺しなんて……本当はさせたくない………でも、このままじゃ。夜衣斗さんが殺されてしまう。

 昨日会ったばかりの人だとしても、高神姉弟と天秤に掛ければ、どっちが重いか……そんな事を考えたくないけど、明白だから………それに、私は、夜衣斗さんとの、『運命』を、こんな所で終わらしたくない!

 だから!お願い!!

 「コウリュウ!!!」

 私の覚悟の願いに、コウリュウはキゾウに顔を向け、

 必殺のレーザーブレスを撃った。

 具現化のし過ぎで動けない礼治と礼治を守るキゾウ。

 一人と一体を貫通して、私は人殺しに………なるはずだった。

 だから、私は、その瞬間、思わず目を瞑ってしまった。

 身体が震え、頭がくらくらして、気持ちが悪い。

 それでも、私は私の意志でした事を、受け止めなくちゃいけない。

 自分自身を失わないためにも。

 恐る恐る目を開けると、レーザーブレスによって穴の開いた砂浜が……なかった。

 そこには、ブレスを撃つ前と変わらない位置にいる礼治とキゾウ。

 その二人の前に浮いている五つの小型円盤。

 ……シールドサーバント?

 あれって、確か、昨日夜衣斗さんがオウキから出していた防御用の……。

 反射的に麗華の武霊に掴まっている夜衣斗さんを見た。

 夜衣斗さんは、麗華の武霊の中で苦しそうにもがいている。

 そして、気付いた。

 ……おかしい。前に麗華の武霊が人を食べた時は、その人はすぐに気を失って動かなくなっていたはず。

 ……と言う事は……。

 私が結論を出す前に、私の視界に隅に人影が入った。

 慌てて視線をその人影に向けると、そこに………夜衣斗さんがいた。

 夜衣斗さんの姿を確認した瞬間、私の視界が何故か歪んだ。

 その原因が涙だと気付いて、私は慌てて涙を拭った。

 安心の涙か、嬉し涙か、分からないけど、今は泣いている場合じゃない。

 麗華が出した武霊達の何体かが、私達の方に向かってきたから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ