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第四章『それぞれの裏、さまざまな真実』64

  ★飛矢折★

 最初の攻撃は星波町上空に飛ばしているスカウトサーバントに対して行われた。

 遠距離攻撃が出来る武霊達が編隊の先頭に立ち、立ち並ぶ家々に上り、銃撃や電撃、あらゆる遠距離攻撃がスカウトサーバント達に対して撃ち込まれる。

 武霊達の動きを見ていたスカウトサーバント達は回避運動。

 だけど、何機かが避けられずに破壊されてしまい、あたしが見ている映像のいくつかが消えてしまう。

 第二射が撃ち込まれるより早く、あたしと操形先輩組・口導先輩とソードさん組・村崎さんと統合生徒会長組・春子さんと髪結さん組の接近戦担当が、それぞれ別々の場所から後方にいた武霊使い達を強襲。

 今回は芽印の能力による接近じゃなく、ノームさんの能力で地下に穴を空けて貰い、そこを通って空き家に入り待機していた。

 強襲を警戒していたのか、射撃系の武霊使い達の前に、接近系武霊使いが武霊を具現化。

 武霊を倒す為にシールドサーバントが武霊を隔離し様と動くけど、それを読んでいた接近系武霊が接近したシールドサーバントを破壊してしまう。

 もっとも、それすら読んでいた黒樹君の指示で、事前にソードさんの力が込められたPSサーバントのナイフを、あたし達は武霊達に投げ付ける。

 忘却現象は、武霊に関する事を忘れる現象だから、武霊の力に退魔士能力を乗せれば退魔士能力もついでに忘れられるし、武霊能力として誤認される。と黒樹君は言っていた。

 確かに武霊能力と退魔士能力は、両方の能力を詳しく知っていないと見分けがつかないと思う。両方とも常識外の能力だものね。

 投げ付けられたナイフを弾く武霊達だったけど、ナイフに触れた瞬間に、ソードさんの力が作用して触れた武霊が触れた部分から一気に裂け、霧散した。

 驚き一瞬動きが固まる武霊使い達の隙を突き、射撃系武霊使いを狙って麻酔弾連射。

 その成否を確認せずにあたし達は急いでその場を撤退し、物陰に隠れる。

 ほぼ同時に星波駅側から何かが連続で一気に上り、こちらに向けて急降下。

 その正体はキバのガトリングミサイルポットから撃ち出された小型ミサイル。

 小型ミサイルに気付いた武霊使い達は、迎撃しようとするけど、射撃系の武霊を半分以上失った武霊使い達にはほとんど撃ち落とする事が出来ず、次々と武霊達に命中し、強烈な衝撃と閃光が生じる。

 黒樹君が撃ったのはスタンミサイルと言うものらしく、強烈な衝撃と閃光で複数の対象を無力化させるとか………もっとも、黒樹君がこれを使ったのは単純にミサイルの効果を期待したものじゃない。

 ミサイルの影響が消えるか消えないかで、あたし達は物陰から飛び出して、スタンミサイルで気絶するまでには至らなかった武霊使いを次々と銃や刀で気絶させる。

 同時に近隣の家々に隠れさせていたサーバント達が大量に飛び出し、あたし達が気絶させた武霊使いを次から次に星波駅に運び出す。

 更に後方から………あれ?なんで村雲君が?………と、とにかく、キバに乗った村雲君と黒樹君が戦場に突入し、動きに精彩さを欠く武霊使い達の中に突入した。


  ★???★

 遠見の能力で戦場を見ていた三島忠人は、スタンミサイルの閃光をまともに見てしまい、視力を一時的に奪われてしまっていた。

 これにより三島忠人は武霊使い達に指示が出来ず、武霊使い達は夜衣斗達の突撃に対応出来ないでいた。

 そもそも、自警団の武霊使い以外は、例え武霊使いであってもただの町民・学生である事が多い。

 武霊自体が普段の生活に不必要なものである上に、むやみやたらに使えば警察や自警団・武風から注意を受け、場合によっては罪に問われる事もある。

 その為、はぐれに襲われるなどの危機的状況にならない限り、武霊を具現化しない事が常であり、それ故にほとんどが戦闘、当然、集団戦闘になれていない。

 そんな者達が自分達の判断で行動すればたちまち編隊として機能しなくなる。

 だからこそ、三島忠人は武霊使い達に勝手に行動しない様に命令していた。

 それを夜衣斗に読まれて、迂闊にも閃光を三島忠人はまともに見てしまったと言う事だが、

 「この程度で読み勝ちしたと思っていないだろうな?黒樹夜衣斗」

 そう笑みを浮かべた。


  ★夜衣斗★

 キバで俺達が突入すると明らかにスタンミサイルの影響下にない武霊使い達もその動きを止めていた。

 つまり、狙い通り、指示をしている三島忠人の目を潰せたと言う事。

 最大のチャンスではあるが………これも一回切りの不意打ち。

 同じ手はもう通じないだろう。

 だからこそ、今、可能な限り助け出さなくちゃいけないんだが………こっちは戦闘出来る人数が最大で三十四人に対して、向こうは星波町民の大体十分の一………どう考えても圧倒的な戦力差があるので、どうしても救いだせる人数は限られてしまう。

 眼つぶしだってそう長くは持たないだろうし………武霊の暴走の可能性さえなければもう少しサーバントを出しても良いんだが………

 そんな不安と不満を思っている間、村雲はキバを俺以上にうまく操り、武霊・武霊使い間を駆け抜け、ホーンブレードと両肩両腰の簡易格納庫から出したソードアームで通り抜け様に斬り付け、武霊はシールドフィールドの刃で霧散させ、武霊使いは電撃の刃で気絶させた。

 時々思い出したかのように繰り出される武霊の攻撃は、時にはバック走行を利用して下がったり、一瞬だけ馬モードにして飛び上がり、塀の上を走ったり、などしてあっさり避ける。

 ……………なんか、このまま村雲の武霊にしちまった方がいいんじゃね?

 そんな事を思うと、それを否定するかの様にキバがいなないた。

 冗談だよ……………まあ、とにかく、なんであれ、これで安心してみんなへの指示に集中出来る。

 キバの反応に苦笑した時、進行方向に派手な化粧をしたまるでテレビとかに出てくるホステスみたいな人が現れた。

 スタンミサイルの範囲外にいた奴か………

 そう判断した時、バイクモードになって道路を走っていたキバが不意に急停止。

 「どうした村雲!?」

 意図の分からない急停止に、思わず村雲に問い掛けると、村雲は困惑した様子で下を確認し、

 「な!」

 ?………っげ!

 村雲の驚きに釣られて下を見ると、そこにはパワードスーツみたいなのを着たスイマーがいた。

 しかも、半透明でその中に日焼け美人を入れた………って、レベル3武霊!?

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