第一章『武霊のある町』18
★夜衣斗★
二丁拳銃収納。セレクト。振動双刀。
俺の命令に瞬時に二丁拳銃が両腕に収納され、代わりに二振りの刀が両手に収まった。
切り開け!
次いでの命令で、オウキはまだ炎に包まれている武霊達に突っ込み、右左の刀でそれぞれ一体ずつ一刀両断にし、消滅させる。
昨日の剛鬼丸に比べれば脆い事脆い事。
開いた武霊の包囲網からダッシュで飛び出す俺。
背後で刃と刃がぶつかった様な音がした。
それを無視して、そのまま海へと向かって走る。
だが、その前にカブトムシの様な変身ヒーローの武霊が立ち塞がった。
その武霊の全身の装甲が少し開く。
一瞬、開いた装甲の隙間から炎が見えた。
予知めいた予感に、俺は反射的にオウキに命令。
俺の命令に、上空に待機させていたシールドサーバントが俺の前に移動させ、力場を展開させる。
力場展開と同時に、立ち塞がった武霊の装甲が一気に全て開き、爆発。
シールドサーバントのおかげで吹き飛ばされずに済んだが、爆発で生じた黒い煙に視界が塞がれてしまう。
……あの女!俺を生きたまま自分の武霊に喰わせたいんじゃなかったのか?それとも、今のは死なない程度の爆発だったんだろうか?……何にせよ。行け!サーバント。
シールドサーバントを力場を発生させたまま突撃させ、立ち塞がっていた武霊を抑えさせる。
煙でちゃんと抑えられたか分からないが、俺はそのまま煙の中を走り、抜けた。
その瞬間、俺は『喰われた』。