表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
430/471

第四章『それぞれの裏、さまざまな真実』36

  ★夜衣斗★

 美魅の話によると、メガネベアとその同類……メガネ動物か?……は、魔法などの『本来の世界にはない何か』を有している者の前じゃないと、自分の正体を晒さない『本能』の様な物を持っているらしい。

 例えば、退魔士などの様なこの世界の本来の法則ではない魔法を持つ者や………俺の様に運命を変えられる選択を与えられた物などが該当するそうだ。

 その事を美魅はサヤから聞いたらしいんだが………サヤがその事を知っているって事は………やっぱりメガネベアも運命を変えられる選択と何らかの関わりがあるって事なんだろうか?

 ………まあ、何であれ、さきほどまでメガネベアが動かなかったのは、飛矢折さんや西島さゆりさんがいた為だったようだ。

 この二人は……飛矢折さんは少し規格外な気がしないでもないが……いわゆる普通の人。

 だから、メガネベアは本能的に動けず、俺がこの場にいる全員に俺に深く関わったと教える事で、『本来の世界にはない運命に選択後に巻き込まれたと認識させた』。

 これでメガネベアは動けるようになり、同意の為に俺に向かって頷いたんだが………飛矢折さんが物凄く驚いている。

 ………まあ、自分が持ってきた人形が、実は人形じゃありませんでした……なんて、普通は驚くよな……

 ん?

 「………そう言えば、メガネベアにそっくりな人形がおもちゃ屋とかで売られてますよね?あれって、なんかこのメガネベアと関係あるんですか?」

 そう俺が春子さんに問うと、メガネベアも同じ事を思っていたのかうんうんと頷いた。

 「さあ?」

 さあって………あからさまにメガネベアががっかりしているし………

 「ん~まあ、本当かどうかは分からないけど……人形の方のメガネ動物シリーズに、シェルトン=シルベリアが関わってるとか、そんな話があるわね」

 シェルトン=シルベリア?………七人の裏切りに魔法使い達の師匠にして、魔法を復元した大魔法使い……か………ん~メガネ動物の情報を夜衣花の仲間に流したのが最後の敵・日向魁人なら、その師匠は更にメガネ動物の事を知っていそうだな………まあ、だとしても、既に故人であるなら、それを、人形を作った意図を知るのは難しいか………メガネベア自身もよく分かってないみたいだしな………とりあえず放置の方向でいいか………今はそんな事より、

 「………メガネベア。さっきの春子さんの話は本当か?」

 そうメガネベアに問うと、メガネベアは首を傾げ………そのまま少し固まり、ポンと手を打った。

 そして、俺に対して、イメージを送ってきたんだが………ん~………メガネを……サングラス?……メガネは……安全?……グラサンは……危険?………プリン?……世界樹の外?………好物………がいた時に………解錠出来る?

 ………要するに、普段掛けているメガネは安全装置で、好物………多分、結末世界果実獣とかか?がいた時のみ、メガネをグラサンに変える事が出来て、それを使う事で本来の力を発揮出来る…………そんな所だろうか?

 頷くメガネベア。

 ………なんか、やけにシステム的と言うか………まあ、どう考えても自然に発生した生物には見えないよな……メガネベアは………だとすると、武霊と似た様な存在なのかもしれない。いや、それ以上か?………なんであれ、まあ、どうであれ、メガネベアを警戒する必要性はないわけだ。

 「ふふ。言っとくけど、あれでプリンの件を許したわけじゃないからね。また私のプリンを食べたら……うふふ」

 などと言って、メガネベアを睨み付ける春子さん。

 目があった途端に、バチバチと火花を散らし出す春子さんとメガネベア。

 ………春子さん以外は………か………それにしても………プリンと結末獣が好物ね………同じ味でもするんだろうか?………まあ、具体的に結末獣がどんなものかを知らないから何とも考えようもないが………

 とりあえずメガネベアの事は置いておこう。

 例え、メガネベアも俺の運命に関わる何かがあるとしても、今回の事に直接関係ある様には見えないしな………それよりなにより問題なのは………

 「………春子さん。そろそろ話してくれませんか?どうやって星波町を取り戻すか」

 そう俺が言うと、春子さんはメガネベアとにらみ合うのを止め………へらっと笑い、

 「にゃはは…………全く……考えてなかったり?」

 ………などと言った。

 ……………やっぱり………つうか、笑いごとか?…………

 俺はため息を吐きつつ、統合生徒会長に目を向けると、統合生徒会長も困った顔をして……頷いた。

 ………どこら辺で落ち着いたかは知らないが、俺が気絶してから起きるまで、数時間はあっただろうに………それでも退魔士……………じゃないのか………考えて見れば、ここにいる連中は、退魔士能力とかはあっても、退魔士としての仕事をした事がほとんどないんだろうな………しかも、町一つを取り戻す様な大規模な作戦をした事は………今の時代を考えれば、ありえない事か?………ん~………

 「………そんなので一体どうするつもりだったんですか?」

 俺の困惑を思いっきり込めた問いに、春子さんと統合生徒会長は互いを見合わせ、ちょっと間を置いて、俺を見る。

 そして、

 「夜衣斗ちゃんなら何とかしれくれるかな?って」「夜衣斗様なら何とかしてくれるかな?って」

 ……………………………………

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ