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プロローグ4

 それは俺にしては、上出来な反応だった。

 突然、空から降ってきた化け物。

 全身に千切れた黒い鎖を巻き、至る所から炎を噴き出す骸骨犬。

 そいつは現われ一吠えし、現れたときと同様に突然、飛び掛ってくる。

 その瞬間、俺は手に持ったコンビニ袋をそいつに向かって投げた。

 狙いも定めず、反射的な行動だったが、投げられたコンビニ袋は骸骨犬の目に当たり、俺が横に避ける隙を作った。

 自分のこの反応に軽く驚きつつ、俺は全速力で駆けだす。

 駈け出したはいいが、どう考えても俺の走る速度じゃ、あっと言う間に追い付かれる。速度もそうだが、持久力も、全くと言っていいほど俺はないから。

 骸骨犬を避けた時、感じた炎の熱は現実で……そうなると、あからさまに鋭い爪と牙は俺を簡単に引き裂くのは間違いない。

 命の危機。

 『久しぶり浮かんだ言葉』に、俺は歯を食いしばった。

 現状に実感がわかないせいか、『過去の怒り』が再度噴出したんだろう。そんな場合じゃないのは頭では分かっているんだが……。

 俺は真っ先に目に入った家に駆け込んだ。

 叔母が家に逃げろと言っていた事から、骸骨犬は……多分、家の中に入れないのだろう……そうとしか考えられないし、それしか逃げる方法がない。

 俺は走る勢いのまま玄関にぶつかる様に止まり、そのままドアを強く叩く。

 「すいません!誰かいませんか!?誰か!?」

 何度も叩くが、一向に反応がない。

 っで気付いた。

 玄関のポストに、新聞やらハガキやらが溜まっている事に。

 運が悪い事に、長期間留守にしている家に来てしまったようだった。

 まずいと思う間もなく、俺は背後に何かを感じ、振り返った。

 そこに、骸骨犬がいた。

 警戒しつつ、じりじりと間合いを縮めながらだ。

 骸骨犬の動きを警戒しながら、周囲を見るが、家の周りは高い塀に囲まれており、逃げる道が、ない。

 絶体絶命。

 その言葉が俺の脳裏に浮かんだ。

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