表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
388/471

第三章『奪われたオウキ』85

  ★???★

 海面にぶつかると同時に、ガチャポンマンは頭部と腹部の口から光球を発射した。

 ゼロ距離から放たれた光球。

 だが、キバは光球が放たれる直前で、肩の簡易格納庫からアームの付いた盾を出し、自身とガチャポンマンの間に滑り込ませ、シールドサーバントより強力な力場シールドを展開。

 放たれた光球はシールドに直撃し、二体が海に入ると共に大爆発を引き起こす。

 その爆発により、ガチャポンマンは上空へ、キバは海中へと吹き飛ばされる。

 海底に叩き付けられたキバの姿は、シールドで防いだと言うのに、ぼろぼろになっていた。

 両肩・両腰から出したシールドアーム・ソードアームは壊れ、アームだけになり、ウィングブースターは格納庫ごと壊れ、背中を中心にオーバードライブの装甲がなくなり、露わになった本来の装甲が溶けている。

 満身創痍のキバだが、シールド・ソードのアームを破棄し、シールドサーバントを大量に出す。

 そして、シールドサーバントを階段の様に展開し、三本の足で掛け上がり、海面に出る。

 空では、キバと同様に至近距離から爆発を受けたガチャポンマンが吹き飛んだ四肢と体表を急速に再生していた。

 そのガチャポンマンに、キバは一気に接近し、後回りに回転して後ろ足で蹴り落とす。

 キバの蹴りを受けて落下するガチャポンマンだったが、海面直前で身体の再生が終わり、落下がピタリと止まり、追撃を掛けるキバに光線を吐き付ける。

 迫る光線を、横に飛んでかわすが、かわした先に展開したシールドサーバントにガチャポンマンのサーバントが強襲、破壊されてしまう。

 着地する場所を失い、落下するキバ。

 ガチャポンマンは全身から無数の銃身を出し、全て落下するキバに向ける。

 キバは新たなシールドサーバントを出し、足場を作ろうとするが、その度にガチャポンマンのサーバントに破壊されてしまう。

 避ける手段がないキバに向け、ガチャポンマンは全ての銃身から光線を撃ち出した。


  ★夜衣斗★

 ガチャポン機のカプセルの中に頂喜武蔵を見付けた時、一瞬、俺の思考は停止した。

 ここは頂喜武蔵の中だ。だから、記憶の中の過去の頂喜武蔵が現れる事があっても、頂喜武蔵が現れる事はないと決め付けていた様だった。

 ………まあ、考えて見れば、俺だって自分の中に自分として何度も行った事が………どちらかと言うと連れてこられた感じだが………ある。なら、頂喜武蔵にも同じ事が起きていないとは言えないし、実際に起きている。

 もしかしたら………俺の攻撃で意識を失った際に、ガチャポンマンによりここに引きづり込まれてしまったのかもしれない。

 まあ、何にせよ………………どうしよう?

 カプセルの中にいる頂喜武蔵は意識があるのか、何か喚き散らしている。

 そして、その両手足は、脳内ディスプレイで見る現実世界の頂喜武蔵と同じ様に………消えていた。

 喚き散らしているのは、徐々に消える範囲が拡大している為か……………ざまあみろって感じもしないでもないが………このままガチャポンマンの本体を攻撃しても大丈夫だろうか?

 そんな疑問が俺の中に生じた。

 オウキなどの借りられている武霊は、あくまで本体は借りられている武霊使いの中にある可能性が高い。

 じゃなければ、あの不良のリーダーが町境のトンネルで待ち伏せしていた理由がないんじゃないんだろうか?

 だから、ガチャポンマンの本体を破壊すれば、オウキは無事に戻ってくる。

 ………だが、頂喜武蔵の場合はどうだろうか?

 ここは頂喜武蔵の中だ。

 そして、カプセルの中にいる頂喜武蔵は、まず間違いなくリンクしているか、頂喜武蔵そのもの………この状態でガチャポンマンの本体を破壊すれば………最悪………殺してしまわないだろうか?

 そう仮定すれば、オウキが俺を止めた理由は納得出来る。

 ………だが、そうとなれば………本当にどうすればいいんだろうか?

 脳内ディスプレイで見るキバとガチャポンマンとの戦いは、ギリギリの所でキバが耐えてくれている様だった。

 この様子だが、それほど時間は無い。

 だが、どうすれば…………ん?

 逡巡していると、ぞわっと悪寒を感じた。

 ほとんど条件反射的に、後ろに飛ぶと、目の前を何かが横切る。

 更に連続して後ろに飛ぶと、何が横切ったか分かった。

 それはガチャポン機から生えている腕。

 俺が唖然としていると、瞬く間にもう片方の腕が生え、両足が生え、その大きさが増した。

 ただのガチャポン機が、ガチャポンマンになった………まあ、ガチャポンマンの本体だから当たり前と言えば当たり前だが………これはまずくないか?

 下手に本体を破壊出来ない上に、こっちには今、武霊がいない。

 PSサーバントと美魅の能力で戦えなくもないだろうが、ベースは一般人以下の俺だ。

 ………ガチャポンマンに殺される想像しか………出来なかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ