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第三章『奪われたオウキ』53

  ★美羽★

 レベル4の武霊の体内で喰われている武霊使い。

 多分、消費される意志力があまりにも多過ぎて……武霊使いの身体まで消費しはじめた………って事なのかな?

 それって、武霊が暴走してるって事だよね………っと言う事は、いつも見ているのとは全然違うけど、はぐれ化が起きているって事?………でも……こんな……はぐれ化なんて………どうして……もしかして!?夜衣斗さんが言っていた薬に副作用?………それとも、レベル4になると、武霊使いは自分の武霊に………。

 ぞわっと背筋に寒気が走った。

 武霊は発生してから十年経ってるけど、その生態の全部が分かってるってわけじゃない。

 だから、レベルが上がると言う事はどういう事なのか、私達はもちろん、当の武霊本人達もよく分かってなくて…………

 心配する様にコウリュウが私を見た。

 大丈夫、あなたがそんな事をするなんて思わないから……だって、あなたはそんな事しないでしょ?

 その思いに、当たり前だと言わんばかりに一鳴きした。

 それに思わず微笑んだ時、不意にコウリュウが飛行速度を上げ始める。

 「どうしたのコウリュウ!?」

 私のその問いにコウリュウが答えるより早く、上空から閃光が走り、コウリュウの片翼が切り裂かれた。

 反射的に閃光が生じた上空を見上げると、そこにはレベル3のオウキ、頂喜武蔵がこっちに銃を構えているのが見えて……地面を見るとこっちにも頂喜武蔵とオウキがいる…………しまった!ドッペルゲンガー!

 何が起こったか理解した時、片翼を切られてバランスを失ったコウリュウがきりもみ状態で落ち始めた。


  ★飛矢折★

 目撃したのは、片翼を切られ、きりもみ状態で落ちるコウリュウ。

 それを見た瞬間、あたしは反射的に、

 「先生!黒樹君をお願いします」

 そう高木先生に言って、差していた傘を放り投げて駆け出した。

 武霊使いではないあたしに何が出来るわけでもないのは分かってはいる。でも、目の前の事を無視して、黒樹君を探しになんて、あたしには出来なかった。

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