表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/471

第一章『武霊のある町』9

  ★夜衣斗★

 海の方に視線を向けると、コウリュウが美羽さんをその両手に抱えて海から飛び出してきた。

 何が起こったのか思考する前に、オウキが勝手に具現化する。

 意識が一瞬かすんだので、文句でも言おう背後を見ると、オウキが空を見ていたので、反射的に同じ方向に視線を向けた。

 空に耳を広げて飛ぶ巨大な機械の象がいた。

 俺は思わず目を瞬かせた。

 その機械の像は、子供の頃に見ていたアニメの主人公達が乗っていたロボットと全く同じ姿形だったからだ。

 ……どう考えても、あれは武霊だな。

 と言う事は、美羽さんはあれに襲われたのか?なんでだ?警報がなかったから、あれははぐれ武霊じゃない。……つまり……。

 「み〜つけたぁ」

 思考に没頭していると、右側から若い女の声がした。

 その声を聞いた時、どう言うわけか、俺の背筋が寒くなる。

 理由が分からず、声のした方に視線を向けると………そこには、異様に肌が白く、髪の長い女がいた。

 そして、背筋が寒くなった理由が分かった。

 「私のぉ、かわいいかわいい武霊ちゃん」

 その声と目に、俺でも分かるほどの『狂気』が宿っているからだと。


  ★美羽★

 気が付いた時、一瞬で具現化したコウリュウが私を包む様に覆い被さる。

 その行動の意味を理解するより早く、後ろから凄い衝撃が走り、一瞬の浮遊感の後、海に落ちた。

 少し海水を飲んだけど、溺れる前にコウリュウが私を抱えて空へと飛び出してくれた。

 せき込みながら、周囲を見回すと、コウリュウの前に巨大な機械の像が現れた。

 ぞっとした。

 その武霊は、キゾウと名付けられた武霊で、私が……いえ、星波町の武霊使いが、『最も会いたくない犯罪武霊使いの片割れの武霊』。

 山側にある廃校を不法占拠している『最悪の』犯罪武霊使い『高神姉弟』の弟、礼治の武霊。

 ……ちょっと待って、礼治の武霊が私を襲ってきたって事は……オウキが『狙われている』!夜衣斗さん!!

 慌てて海岸を見ると、最も見たくなかった光景が視界に入った。

 夜衣斗さんはオウキを出して高神姉・麗華と対峙していた。

 犯罪武霊使いの中で、

 『最も武霊使いを殺している女』

 と。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ