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第三章『奪われたオウキ』28

  ★夜衣斗★

 目を覚ますと、まず目の入ったのは数人の男達に押さえ付けられて服をナイフで切られている西島さんだった。

 条件反射的にオウキを呼ぼうとするより早く、西島さんの上に乗っていた男が退き、ガチャポン機の様な武霊が現れ、その拳を振りかぶる。

 その拳の先は………西島さんに向けられている。

 「オウキを具現化するなよ?具現化した瞬間、殺すからな?」

 その声は……頂喜武蔵のもので、

 「もう少し楽しめるかと思ったが、薬の量が足りなかったのか?随分早く目覚めやがって」

 その言葉にさゆりさんを見ると、さゆりさんの服は上着が下着が見えるぐらい切り刻まれているだけで、それ以上されている様子はなかった。

 ホッとすべきかどうかよく分からないが、まずい状況である事には変わりない。

 なんでこういう状況になっているか全く思い出せず、最後の記憶はオウキが迫りくる炎を防いだ瞬間。

 状況から考えて、その瞬間に別方向からの武霊能力で気絶させられて、この場所に連れて………両手足に手錠を掛けられている。

 そして、俺をさらった目的は、

 「用件は一つ。オウキを俺に貸してくれないか?」

 やっぱりな……この状況を切り抜ける手段は……

 そう思って必死に考えをめぐらせようとした瞬間、武霊の拳が振り下ろ

 「待て!」

 反射的な言葉に……武霊の拳は止まらなかった!?

 西島さんの腹部に突き刺さる武霊の拳に、胃の内容物を吐き出し、咳き込む。

 直前で加減をしたみたいだが………この男。ひよりさんの時も思っただが……危険過ぎる。

 「次は加減しない」

 頂喜武蔵の顔は喜びに歪んでいて……どう見ても、考える余裕を与える気も、選択の余地も与える気がさらさらない。

 かと言って、このままオウキを貸したとして、俺の命は貸すと言う能力制限があるから大丈夫だろうが、西島さんはもちろん、オウキを手に入れた頂喜武蔵が星波町の人達に何もしない保証は……いや、きっと……

 ガチャポン武霊が再び拳を振り被る。

 くそ!

 「分かった!オウキを貸す!」

 そう言った瞬間、強烈な虚脱感と共に身体の何かが引っ張られる感覚に襲われ、俺の背中から具現化していないオウキが現れ、ガチャポン武霊の中に吸い込まれ、小さな人形になったオウキがカプセルに入ってガチャポンの中に現れた。

 ………最悪だ。オウキを、借りられた。いや……奪われた……………

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