第三章『奪われたオウキ』26
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さゆりが目を覚ますと、そこは荒れた部屋の中だった。
意識を失う前までいた部屋より大きく、また、起きた爆発で荒れたと言うより、長い時間放置された事による荒れさ具合だったので、全く違う場所なのはわかるが、なぜここにいるのかがさゆりには分からない。
分からないまま、さゆりは立ち上がろうとした時、自分の背後に誰かが倒れている事に気付いた。
振り返って確認すると………そこにいたのは、両手足に手錠を掛けられ、意識を失っている夜衣斗だった。
これには混乱するしかないさゆりだったが、とにかく夜衣斗を起こそうと夜衣斗の身体を強請ろうとした時、部屋のドアが開いた。
開いたドアから頂喜武蔵が現れ、その後からはぞろぞろと人相・雰囲気が悪い少年達が入ってきた。
「黒樹夜衣斗を起こそうとしても無駄だぜ、しばらく目を覚まさない様に薬を嗅がせたからな」
さゆりの手が夜衣斗の肩に置かれているのを目にした頂喜武蔵は、そう言って笑った。
「………ひよりはどこ?」
キッと笑う頂喜武蔵に視線を向けるさゆりに、頂喜武蔵は肩をすくめ、
「娘の心配より、自分の心配をしたらどうだ?」
そう言うと、周りの少年達が笑い出し、さゆりが逃げるより早く、数人がかりでさゆりを床に押さえ付けられ、無理矢理仰向けにされてしまう。
そして、さゆりの正面にいる少年が小型ナイフを取り出した。
あまりの事に悲鳴すら上げる事が出来ないさゆり。
その恐怖を楽しむかのようにゆっくりとナイフがさゆりの服の下に入れられ、徐々に服を………