第三章『奪われたオウキ』8
★美羽★
鬼走人骸が星波町に帰って来た。
その連絡を美春さんから聞いた時、私は眉をひそめた。
前に彼らが来た時、犯罪率が急増して大変だったからだけど、それより私は、美春さんの次の連絡に驚いてしまった。
夜衣斗さんが鬼走人骸のリーダー頂嬉武蔵と接触して、女性を助けた………って、また事件に巻き込まれ、また女性ですか夜衣斗さん………。
「運が良いんだか、悪いんだか分からないわね?」
私ずてに鬼走人骸の事を聞いた春子さんが夕食の時にそんな事を言い………私も似たような事を考えたけど………言われた夜衣斗さんは、困った雰囲気になって頬を掻いた。
「それで夜衣斗さん。その助けた女性はどうするんですか?」
今度は私の問いに、困った雰囲気を出す夜衣斗さん?
?………私、何か困る事でも言ったかな?
「………今は警察で保護されています」
………あ〜っそっか。私はてっきり夜衣斗さんが全部助けるんだろうとって思ってたから………ついついどうするんですか?って聞いちゃってたんだ。
考えて見れば、先月の事件が終わった後、美春さんが二度と夜衣斗さんを警察が関わる事件に故意に巻き込むなって、東山さん念を押してたっけ………しかも、物凄く怖い笑顔で、コロ丸を具現化させながら………あれじゃあ、流石の東山さんも夜衣斗さんを巻き込めないかな?…………でも、じゃあ、夜衣斗さん自身はどうなんだろう?
じーっとご飯を食べている夜衣斗さんを見るけど……………今思ってる事は大体雰囲気で分かっても、超能力者じゃないから、流石にその考えまでは分からない。
………でも……夜衣斗さんなら………きっと………