表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
304/471

第三章『奪われたオウキ』1

  ★???★

 気持ちいい。

 気持ちいい。

 ああ、なんて気持ちいいんだ。

 悲しみ、

 憎しみ

 怒り、

 恐怖、

 向けられる負の感情全てが、気持ちいい。

 悲しみに沈む顔、

 憎しみに歪む顔、

 怒りに満ちた顔、

 恐怖におののく顔、

 ああ、どれも気持ちいい。

 もっとだ!

 もっとだ!

 もっと気持ち良くさせろ!




 土砂降りの雨の中、次々と自警団の武霊を倒すオウキ。

 高笑いを上げて幸野美春を踏み付けている大男。

 頭から血を流し気絶している赤井美羽。

 その美羽を背中に背負って走る飛矢折巴。

 ぼろぼろでうつろな表情を見てる少女。

 その少女の前で、少女に似た面持ちの女性が複数の男達に押さえ付けられ、ナイフで少しづつ服を切り裂かれる。

 両手両足に手錠を掛けられ、身動きの取れない黒樹夜衣斗。

 オウキを身に纏った大男。

 その後ろに続く、何十体ものレベル2の武霊。

 町を守る為に総力を挙げて対峙する自警団と武装風紀。

 身動きの取れない夜衣斗を何度も何度も蹴り、踏み付ける少年。

 抵抗すら出来ない夜衣斗は鈍い音を発し続け、床に血を



 そこで彼は目を覚ました。

 (なんてタイミングで予知夢を見るんだ………)

 あまりのタイミングの悪さに、彼は額に手を当て、深い溜め息を吐く。

 (どれも決定的な場面ではなかったが………どう見ても最悪な結末しか導き出せない)

 彼はベットの隣に置いてある電動車椅子に腕力だけで乗り、備え付けているパソコンを起動させた。

 (本当にどんどん予知が使えなくなっているな………それほど彼が本来の運命をかき乱していると言う事なんだろうが………それを喜ぶべきか、悲しむべきか………)

 起動させたパソコンをしばらく操作していた彼は、再び深い溜め息を吐いた。

 (やはり監視が再開されているか………これは誤魔化すのに時間がかかるな………いや、そろそろ僕も、運命の選択をしなくちゃいけないと言う事なんだろうな……………)

 そう思った彼は、とてつもない速度でパソコンを操り出した。

 黒樹夜衣斗へ、最後の敵として、最後のヒントを送る為に………

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ