表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
297/471

間章その四『容疑者黒樹夜衣斗』43

  ★美羽★

 「つまり、夜衣斗さんは、自分も犯人の対象になると考えていたんですね。っで、また自分から囮になった」

 放課後、巴先輩と美幸先輩と一緒に警察署に行くと、物凄く怒った顔の美春さんと鉢合わせになり、夜衣斗さんが今、自ら囮になってる事を聞かされた。

 「いや、多分、東山に誘導されたんだろう」

 囮になってる夜衣斗さんを追跡する為にレベル0.5のコロ丸を具現化しつつ、美春さんはそんな事を言った。

 あの東山さんが

 「誘導?」

 あまりにも普段のイメージと違う言葉に、私は首を傾げた。

 「あいつは、あんな感じだが、たまにそれを利用して自分の思った通りに動かそうとするからな………」

 ……それは、

 「クズですね」

 「クズだな」

 「美羽ちゃ〜ん。美春ちゃ〜ん。そう言う事は、本人の前で言わないでくれるかなぁ?」

 っとか言い出す東山さんに、私と美春さんはほぼ同時に、

 「本人の前だから言ってるんです」「本人の前だから言ってるんだ」

 っと言って、東山さんから乾いた笑い声を出させた。

 美春さんと一緒に警察署から出て来てたんだけど………美春さんの怒りようから、絶対東山さんが関わってると思って、あえて無視してた。

 まあ、でも、あんまり無視し続けられないし………。

 「そもそも、何で夜衣斗さんに誰も護衛を付けてないんですか?遠見だってしてないし」

 その私の質問に、美春さんは困った顔をし、東山さんは面白そうな顔をした。

 「夜衣斗君が言い出したんだよ。万が一囮だとばれると厄介だから、何もしないでくれってさ」

 夜衣斗さんが?…………まあ、あの夜衣斗さんだから護衛なんていらないだろうけど………

 「遠見もしちゃいけないっと?」

 「遠見だって武霊の能力だからねぇ〜。感の鋭い奴ならばれる事だってある。夜衣斗君は、それを警戒してるんじゃないかなぁ〜」

 ………ん〜?確かにそう言う人もいるって話だけど………そこまで考えているなんて、流石夜衣斗さん。

 「まあ、だから、夜衣斗君が出てからしばらくして、コロ丸の嗅覚で追跡しようって話になったわけ。分かったかい美羽ちゃん?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ