間章その四『容疑者黒樹夜衣斗』42
★夜衣斗★
………当たって欲しくなかった予想が当たってしまったな………。
俺は思わず深い溜め息を吐いた。
それと同時に、驚愕して硬直している博の前に、俺の偽物を抱えた博の武霊が現れる。
………これって確か………あれだったな。復讐を題材にしたダークヒーローアニメ『シャドウリベンジャー』の主人公シャドウリベンジャー………だったか?武霊になってるせいか、人間と同じ身長の設定なのに一二周り大きいな………これ、面白いんだが………俺はあんまり好きじゃないんだよな………。
俺の偽物を片手で抱え直したシャドウリベンジャーは、空いた手を影の中に入れ、影の中から刀を出し、俺に向ける。
俺は再び溜め息。
「………サーバント。ショックブレイク」
俺の言葉と共に、軽い爆発と共に、俺の偽物は電流となり、抱えていたシャドウリベンジャーを襲う。
強烈な電流に、シャドウリベンジャーは硬直し、少し間を置いて霧散した。
「てめぇ!」
自身の武霊が倒される光景に、驚愕から立ち直った博は、背後からシャドウリベンジャーを再具現化。
「セレクト、振動刀」
俺に襲い掛かってくるシャドウリベンジャーに、具現化したオウキは振動刀で、居合斬り。
シャドウリベンジャーの刀ごと斬り裂き、霧散させる。
「くそ!くそ!」
再々具現化をしようとする博を俺は敢えて放っておき、わざとシャドウリベンジャーを具現化させる。
そして、何もしない。
一撃で倒された為か、シャドウリベンジャーも警戒して動かない。
「なんなんだよお前!………なんなんだよ!!」
…………っは、知るか。