表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
293/471

間章その四『容疑者黒樹夜衣斗』39

  ★???★

 不良達全員をシャドウリベンジャーの能力を使って廃工場の近く、誰もいない場所に連れ去り………シャドウリベンジャーの刀で切り刻んだ。

 少しづつ、少しづつ。

 悪が、自分や久思に暴力を振るい、恐喝していた奴が、斬られる度に命乞いをする。

 恐怖で、失禁し、涙と鼻水と涎と血でぐちゃぐちゃになる不良達の顔。

 込み上げてくる感情に、博は驚喜し、満足する前に………殺してしまった。

 だが、悪はまだまだいる。

 そう、例えば、力を持ってるくせに、その力を正義の為に使わない黒樹夜衣斗。

 あいつも殺そう。

 惨めに、

 無残に、

 凄惨に、

 殺そう。

 シャドウリベンジャーなら、それが出来る。

 そう思った時、博の視界が歪み、ふらついた。

 初めての具現化だと言うのに、武霊の力を使い過ぎた為だったが、博はそれでもいいと思った。

 何故なら、博が武霊使いになったと言う事は誰も知らない。

 この殺人も、『謎の正義の武霊使い』によるものだと、言う事になる。

 そう思った博は、不良達のバラバラ遺体が転がる場所に、その血を使って、『正義参上』と書き、月曜日に膨れ上がった自分の話題を楽しみにしながら、博は町を出た。

 (なのに!何で、あいつがやった事になってやがんだ!)

 博が向かう先は、唯一の理解者だと、味方だと、仲間だと、『思っている』久思の教室。

 深く考えての行動ではない、明確に何かを言おうと思っているわけではないが、博はとにかく久思に会いたかった。

 きっと、久思なら、理解して、認めてくる。

 そうとでも思っていたのかもしれない。

 だが、久思は教室に………いなかった。

 部室にも、いつも隠れている場所にも、いなかった。

 探しても、探しても、いなかった。

 (久思が学校にいない?どうして?久思を苦しめていた奴らはもういないのに?)

 そう疑問に思った時………理解した。

 久思は………違うのだと。

 それに気付いた博の胸の内から込み上げてきたもの。

 それは…………………怒りだった。

 方向性のない、どのにも向けられない。どこにも向けられる怒り。

 だからこそ、その怒りの方向は直ぐにある人物に向けられた。

 黒樹夜衣斗へと。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ