間章その四『容疑者黒樹夜衣斗』38
★???★
(くそ!くそ!何でだ!何でこんな事になってるんだ!)
博は心の中で絶叫しながら、学校の廊下を早足で進んでいた。
今朝、博が学校に登校すると、黒樹夜衣斗が不良グループ殺害容疑で逮捕されたと言う話で持ち切りだった。
その話を聞いた時、博は身体が震えるほどの衝撃を受けた。
何故なら、不良グループを殺したのは、
博だからだ。
金曜日。
博は部室で、謎の女の子から貰った注射器を躊躇いながら使った。
女の子の正体とか、注射器の中身とか、注射器の針とか、色々な疑問や恐怖はあったが………
これを使えば、これを使えば、武霊使いになれる!正義の味方になれる!
その思いが、疑問や恐怖をあっさり押し退けた。
注射器を打った直後、強烈な意識のぐらつき、それに伴った吐き気と身体の震え、身体を這いまわる痒みと痛み、様々な不調が一気に押し寄せ、博は気絶。
目覚めた頃には、深夜になっていて………背後には、武霊がいた。
博は驚喜した。
何故なら背後に現れたその武霊こそが、まさに博が待ち望んでいた武霊。
博が子供の頃から憧れているヒーロー。
影の中から現れ、悪を殺す。
絶対正義の復讐者。
全身黒色で黒いコートを羽織った顔のない男。
『シャドウリベンジャー』。
それが博の武霊の基となったヒーロー。
狂わんばかりに興奮した博は、そのままシャドウリベンジャーの能力を使って、影から影へ、星波町を自由に飛び回った。
そして、不良達を、久思をいじめ、かつあげしていた悪を見付け………