表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
290/471

間章その四『容疑者黒樹夜衣斗』36

  ★夜衣斗★

 日曜日。

 結局、昨日の夜はレーシングゲームを一回やって、多少話をしただけで二人は寝てしまった。

 ………まあ、俺の為に町中を奔走してくれていたのだから、そうなるのは当り前だろうが……………いやぁ〜、鉄格子がなかったらヤバかった。色々な意味で………。

 (夜衣斗はエロエロだわね)

 っと言った美魅の言葉が今でも脳裏を離れない…………ええ、どうせ俺はむっつり助平ですよ。って言うか、この二人ももう少し俺を男として警戒してほしい気がしないでも……………まあ、下手に飛矢折さんとかに手を出せば………とってもヤバい事になっていただろうが…………いや、てか、しないけどね。そんな事。


 「昨日の夜は動きがなかったみたいです…………」

 昨日の結果を聞きに行った美羽さんは、顔を伏せた。

 ………まあ、予想の範囲内か…………今日もここから出られない事が確定した訳だが……………まあ、休みの日は大体ゲームしてるか、漫画読んでるか、王継戦機とかを書いているかしてないから、別に今の状態なら留置場にいても、いつもの休日と大して変わらない。………だから、

 「………そう気に病む必要はありませんよ」

 っと言うと、美羽さんは、

 「私は怒ってるんです!」

 っと顔を上げて怒った表情を俺に見せた。

 理由が分からず、思わず飛矢折さんと顔を見合わせていると、

 「みんな、昨日の午前までは、夜衣斗さんの事を凄いだの、英雄だの、言ってたのに………」

 ………そんな事を言われてたのか………勘弁してくれ………。

 「今じゃ、みんな夜衣斗さんの悪口ばっかり言ってるですよ!?」

 …………まあ、表向きは容疑者だし………悪口を言われるのは当り前の気がするんだが…………これは、月曜日学校を公然と休めてラッキー。とか思ってるって言わない方がいいな………怒りの矛先がこっちに向きそうだ。まあ、とりあえず、

 「……美羽さん。俺は知りもしない他人からどう思われていようと気にしませんよ。美羽さんや飛矢折さんが信じてくれるなら、俺は十分嬉しいですから………」

 ………なんか恥ずかしい事を言ってるな俺。

 「夜衣斗さん………」「黒樹君………」

 二人はちょっと恥ずかしそうな、嬉しそうな微笑みを浮かべる。

 「………それに、悪口だったら聞き慣れてますから」

 「そんな事、聞き慣れちゃ駄目です!」「そんな事、聞き慣れない!」

 二人同時に怒り、互いに顔を見合わせ、微妙な雰囲気になる美羽さんと飛矢折さん。

 ………なんだかな………まあ、何にせよ余計な事を言ってしまった様だ。

 …………どうも俺は調子に乗ると直ぐにへまをするな…………

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ