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間章その四『容疑者黒樹夜衣斗』28

  ★飛矢折★

 「また偽物見たいね………これで五体目だっけ巴?」

 「………そうね」

 襲い掛かって来た不良のリーダーの偽物を組みふせているあたしに、美幸は平然と話し掛けてきた。

 ………もうちょっと心配してくれてもいい気がするんだけど………まあ……いいけど……。

 何か釈然としない気分になった時、偽物は霧散してしまう。

 不良のリーダーの偽物………そう言えば、名前を聞いてなかったような………どうでもいいか………は、星波町の至る所にいた。

 あたしと美幸と団長さんで不良のリーダーを探し始めて数時間。

 その間に赤井さんや警察・自警団の人達が見付けた偽物は百近くて、一向に本物を見付けられないでいた。

 厄介なのは、見た目上は普通の人間に見える上に、近付くと襲い掛かってくる事。

 下手に武霊とかで攻撃して、万が一本物だったら大事になるから武霊を使えず、不良のリーダーの偽物だからか、それなりに強かったりして、警察。自警団の人達は苦戦している見たい。……多分、犯人に気付かれない様に探さなくちゃいけないから、集団で対応出来ないのがより苦戦させているんだと思う。唯一助かっている点があるとすれば、偽物を大量に作っているせいなのか、偽物一体一体は脆いって事……かな?今みたいに、組みふせただけの、ちょっとしたダメージでも霧散してしまうほど脆い。

 あたしは団長は徒手空拳でも対して苦戦しないからいいけど………赤井さん達の方は大丈夫なのかな?

 「こう匂いまで再現されていると、私のコロ丸でも探すのは難しいな………」

 そう言う団長さんの足元には子犬サイズになった団長さんの武霊・コロ丸がちょこんと座ってて………なんだか可愛い………うう。撫でたい……ああ、でも……今はそんな事をしている場合じゃ……

 「………別に撫でてもいいぞ?」

 不意に団長がそんな事を言ってきた。

 ………もしかして、心の中の葛藤が外に漏れてた?………っうう。恥ずかしい。

 思わず顔を赤らめるあたしに、何故か美幸は溜め息を吐いた。

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