間章その四『容疑者黒樹夜衣斗』24
★飛矢折★
赤井さんの家で、団長さんから黒樹君の話を聞いたあたし達。
あたしと美幸は、統合生徒会に不良達が誰をいじめていたか聞く為に星波学園に向かった。
その途中で、同じ様に誰がいじめられていたかを聞きに行った赤井さんを追って星波学園に向かっていた団長さんに会い、赤井さんを呼んでくる様に頼まれた。
間が悪い事に、赤井さんは星電を家に忘れていて、何かの事情があって校内放送で呼ぶわけにもいかないって言われ、首を傾げたけど………黒樹君の話を聞いた後だと、容疑者達に自分達が疑われていると少しでも思わせたくない為だと理解出来る。
それに、団長さんは星波学園卒業生だけど、もう学園の関係者じゃない。星波学園に学園関係者以外の人が入るには面倒な手続きが結構必要で、そんな事をやっているのなら、誰かが直接呼びに行った方が早いって考えた見たい。
話を聞いたあたしは、あの喫茶店の時点でそこまで黒樹君が考えていたのかと感心していたけど、赤井さんは別の事を思ったみたいで、急に立ち上がり、
「………あのヘボ刑事………どこまで夜衣斗さんに迷惑を掛ければ気が済むのよ!………ちょっと殴りに行ってきます」
「っちょっちょっと待った美羽ちゃん!」
物騒な事を言って駈け出そうとした赤井さんを、団長さんは羽交い絞めにして止めた。
………何と言うか………赤井さんって時々過激になるみたいね………。
「夜衣斗君も納得の上での事だからね。ね?落ちつこ?」
「落ち着いてますよ?………落ち着いて殴りに行こうとしているんです」
「なお悪いから!」
………何だかね………。