表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
277/471

間章その四『容疑者黒樹夜衣斗』23

  ★夜衣斗★

 俺の見解に、にやにやと笑う東山刑事と、驚いた顔をする団長。

 「………黒樹君は、こう言う何かがあると予想していたんだ………」

 ん?………何か団長の言葉が普通の言葉に戻ったよな………まあ、とりあえず、

 「……ええ。俺が囮に使われているなって思った時、そうさせる何があるなって………」

 そう言いながら、資料を手元に戻し、そこに書かれている名前を見る。

 ………おや?被害者は五人?………確か連中、六人いたよな……………なるほど………まあ、とりあえず………えっと………ああ、やっぱりそうか。

 「……俺が囮に使われたって思った理由は他にもあって……」

 「他って?」

 「……行動が早すぎるんですよ。昨日の夜に事件が起こり、発覚したのは、今日の朝でしょう。それなのに、昼過ぎには、もう被疑者を決め、任意同行を求める」

 「……確かに早いわね」

 「………つまり、そこには理由がある……っで、考えてみると、今日は土曜日です」

 「土曜日?」

 「ええ、明日の日曜日は、星波学園の生徒の半数以上が、容疑者となる学生達の半数が、星波町からいなくなります」

 団長に資料にある不良グループにいじめられていたとされているリストを見せる。

 そのちょうど半分ぐらいの生徒が星波町以外の現住所。

 「彼らの誰が犯人かは分かりません。全員が星波町にいる平日に、彼ら全員に張り込むのは、普通の人間なら平気でしょうが、相手が武霊使いとなると人員が足りないでしょう。………警察にそれだけの武霊使いがいれば、自警団が結成される必要性はありませんからね……だから、今日、少々不自然に見えても、俺を容疑者にする必要があった。………もし、今日明日、星波町に住んでいる本当の被疑者達の誰かが動けば、それでよし。動かなければ、月曜日から残りの被疑者達に張り込めばいい。………そんな所でしょう?」

 「おお!凄い凄い」

 と言いながら、ぱちぱちと手を叩く東山刑事。

 「まさしくその通りだよ。いやいや、噂以上だね、君は」

 そう言って、東山刑事はにやりと笑い。

 「そこまで分かってるなら手間が省けるよ。どう頼もうかちょっと悩んでた所だったからね。うんうん。助かるねぇ〜」

 「頼む?何をだ東山」

 ………団長。また男言葉に戻ってる………忙しない人だ。

 「決まってるじゃない?囮として、しばらく警察署に『泊まって貰う』って事」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ