表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
274/471

間章その四『容疑者黒樹夜衣斗』20

  ★飛矢折★

 「っで?当てはあるの巴?」

 そう美幸に問われ、あたしは頷いた。

 「一昨日の不良達が殺されたって事は、その不良達にいじめられていた人達が怪しいと思う」

 「うん。まあ、そうだと思うけど………その人達が怪しいって言うのは、警察の人達も思うんじゃないの?それに、その人達の中に、武霊使いはいないんでしょ?」

 「……うん。いない見たい………でも、武霊使いって突然なるものでしょ?」

 「………ん〜でも、ここ数日、誰かが死ぬ様な目にあったとか、そんな話は聞いてないけど?はぐれだって、黒樹君が発生直後に倒しちゃったしね」

 「………武霊使いになったのを隠してたんじゃない?」

 「だったら、もっと早くに事件は起きてると思うんだけど………」

 「………確かにそうかもしれないけど………そうじゃないって事は言いきれないでしょ?」

 「……うん」

 「とにかく、誰がいじめられていたか、調べてみる」

 「それはいいけど……どうやって?」

 「多分、一昨日の件で統合生徒会が調べていると思うんだ」

 「そうかもしれないけど………教えてくれるかな?」

 「やってみなくちゃ何事も分からないでしょ?」


  ★美羽★

 「だから、ちょっと見せてくれるだけでいいんだって………言ってるでしょうが!!!」

 私の怒りに呼応して、背後に具現化したコウリュウが威嚇の声を上げる。

 「だから、駄目ですわって言ってるでしょうが!!!」

 琴野の怒りに呼応して、背後に具現化したヒノカが威嚇の声を上げる。

 「部屋の中で」

 ぼそっとそれまで黙っていた好美さんが呟き、その背後に雪女の武霊・雪歌を具現化させる。

 「武霊を具現化させるなって言ってるでしょ」

 生徒会室の温度が一気に下がり、私と琴野は慌てて頷き、具現化を解いた。

 それを確認した好美さんは、パソコンの入力に戻ったので、琴野と同時にほっとしてしまう。

 互いに顔を見合せて、同時に嫌な顔をする。

 真犯人を探す為に、まずは殺された不良達がいじめていた人達の事を調べようと統合生徒会室に来たんだけど………タイミング悪く、琴野と好美さんしかいなくて………いつものパターンになっちゃった。

 こんな事をやってる場合じゃないんだけどな………。

 「黒樹様の話はわたくしの耳にも入りましたわ。黒樹様が犯人だとはわたくしも思いませんが、だからと言って、学生であるわたくし達が犯人探しをするわけにはいきませんわ。よろしくて?」

 「よろしくない!」

 「聞き分けなさい!」

 再び喧嘩になりそうな私達に、バンっとテーブルを叩く好美さん。

 雪歌はまだ具現化中で、にっこり笑ってる。

 思わずビクッとしてしまった。しかも、琴野と同時に………。

 そんな時、生徒会室のドアがノックされた。

 「どうぞですわ」

 ドアが開き、そこから巴先輩と美幸先輩が入って来た。

 その二人の顔にピンときたのか、

 「リストはお見せできませんわよ?プライバシーの問題もありますし、警察にも止められてますので」

 っと私に言った事と同じ事を言った。

 だけど、巴先輩は首を横に振った。

 「違うの。私達が用があるの赤井さんの方」

 「え!?私?」

 思わず自分を指差してしまう私に、巴先輩は頷いて、

 「自警団の団長さんが私達に話があるって」

 っと言った。

 美春さんが?何だろう………。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ