間章その三裏『美魅様とメガネベア』13
★???★
(逃げ込んだ?)
美魅の言葉に引っ掛かる夜衣斗。
だが、熱のせいで上手く思考出来ず、深く考えない事にした。
「っで、あんたはどうするんだわよ?」
そう美魅がメガネベアに問いかけると、メガネベアは小首を傾げた。
「あんなのが出てこられちゃいずらいだわよ?」
その美魅の問い掛けに、メガネベアは首を横に振った。
「まだここにいたい?………奇特なやつだわよあんた」
そう美魅が言うと共に、メガネベアから新たなイメージが美魅にのみ送られてくる。
巴・美幸・竜子の三人の会話で、その内容に美魅は目を瞬かせた。
(偶然か、何だか知らないだわけど、気がきくだわね)
「どうやらメガネベアは、人形としてこの家に預けて欲しいって頼まれるみたいだわ……よ?……」
気が付くと夜衣斗は目を瞑り寝ていた。
「………まあ、あたい共々よろしく頼むだわよ」
★夜衣斗★
ふと気が付くと俺は心の中の公園にいて、ベンチに座っていた。
………また心の中かよ……ってなんか、肩と膝の上が重い様な……
膝の上を見ると、白い猫……美魅……様付けは嫌がってたな……がいる。
っで、肩を見るとサヤが疲れた様に俺の肩に頭を預けていて、物凄くドキッとした。
っな!な!?何をしてらっしゃるのかな?サヤさん。
「……疲れてるの……これくらいはいいでしょ?」
うっすら目を開けてそんな事を言うサヤ。
……疲れてる?………そう言えば小学生ぐらいの女の子となんかしてたな……ってあのショートカットの女の子は?
この場にいない小さな女の子を探して視線を公園内へと巡らすと、公園の砂場で砂遊びをしているショートカットの女の子と………ロングヘアの女の子がいた。
………増えとる!?ど……どう言う事?何なの俺の心。次から次にと小さな女の子を出現させるは、化け猫を住まわせちゃうは………わけわかんねぇ………にしても……今の今まで気にもして無かったけど………サヤも含めて、白いドレスっぽい服装をしてるよな…………何でドレスっぽい服……てか、あんな服装で砂遊びするなよ……
「後は」
俺が混乱しながら思考していると、不意にサヤが気だるげに口を開いた。
「夜衣斗次第だからね」