プロローグ25
気が付くと、俺はベットの上で寝ていた。
上半身を起こし、周囲を見回すと、いくつもの段ボールが置かれている小部屋だった。
……見覚えのある段ボールだ。と言うか、先に叔母の家に送った俺の荷物だな。
って事は、ここは叔母の家か?
………いつの間に叔母の家に来たんだ俺?
そう疑問が心に浮かんだ時、ぞわとした感覚と共に、思い出した。
骸骨犬や剛鬼丸の事を、だ。
コウリュウから落とされ、剛鬼丸の必殺の拳が叩き込まれる直前、俺はCAサーバントの杭に仕掛けられた『爆薬』を、起爆させた。
外が堅くても、中が堅いとは限らない。それに、あれだけ硬い外皮内で爆発させれば、爆発力の逃げ場が無く、体内を破壊しつくす。て考えて、その仕掛けがある杭をセレクトしていた。
狙いは、見事に上手く行った。
起爆の後、一瞬の間の後に、剛鬼丸は粉々に弾け飛んだ。
その剛鬼丸の破片を、起爆直前で出したシールドサーバントで防ぎ、破片となって落下する剛鬼丸がすうっと消えるのを確認。
その後、ヒーラーサーバントにより空中に浮いていた田村さんを回収して、砂浜に降り立ち、そこで気が抜けたのか、俺は意識を失った。
はっきり思い出せる。……っが、思い出せば、思い出すほど、何だか悪い夢でも見ていた様な気がしてくる。
………夢落ちってことはないよな………。
とりあえず、全身を確認するが、当然、どこも怪我していない。しいて言えば、足が筋肉痛っぽく、何故か尻が少し痛い。
………試してみるか。
そう思ったが……考えてみると、どう試せばいいか分からず………とりあえず、俺は小さな声で「オウキ」と言ってみた。
何も起こらない。
何だか恥ずかしくなった。
………本当に夢落ちか?
そう思って、再びベットに寝転がると、上の方の視界に、何かが入った。
驚き、慌てて上半身を起こし、振り返ると、そこには半透明のオウキがいた。
俺が目を見開き、固まっていると。オウキは首を傾げる。
なんか用か?と言いたげな感じでだ。
「……呼んだだけ……」
何だか子供の悪戯みたいな事しか言えなかったが、オウキはそれで頷き、すうっと消えた。
………夢じゃないし……まあ、そりゃそうか。
と言うか、今のなんだ?
って、具現化する前の状態って事か?……と言うか、そもそもなんなんだ本当に。
そう考えても答えが出ない事をぐるぐる考えていると、部屋のドアがノックされた。
叔母さんか?
電話では何度か話しているが、直接会ったことがないで、動揺と緊張が走る。
「っど、どうぞ」
と、何とかそう声を絞り出す。
「お邪魔しま〜す」
そう言って、恐る恐る入ってきたのは、美羽さんだった。