間章その三裏『美魅様とメガネベア』5
「あんたやるだわね」
そう言いながら、美魅は屋根から屋根へと飛び移っていた。
メガネベアは、その後を付いて飛び移りながら、照れた様にメガネをクイッと上げる。
メガネベアは強烈な光を発生させると同時に、美魅を抱き抱え、その視線を女の子が持っている水晶球に向けた。
その瞬間、メガネから不可視の何かが生じ、水晶球が霧散。それと同紙に、メガネベアと美魅は、どこか別の場所に瞬間移動した。
「………それにしても、どうしたもんだわね。ちょっと寝ている間に、あんなのが出てくる様になっちゃって……」
溜め息を付く美魅。
「あの子の目的は、あたい達みたいだったけど………あんた。何か目的があってこの町に来たんだわよ?」
その美魅の問いに首を横に振るメガネベア。
「目的がない?当てのない気ままな旅をしている?………奇特な奴だわねあんた」
照れる様に後頭部を掻くメガネベア。
「別にほめてないんだわね………」
美魅の呆れた様な視線に、、がくっとうなだれるメガネベア。
「っで、どうするだわね?」
その美魅の問いに、小首を傾げるメガネベア。
「あたいはこのまま住処……は、多分無理だわね。あの感じだと……まあ、兎に角だわね。このままどこかに隠れちまうつもりさわね………あんたも、この町から出るにせよ、残るにせよ、しばらく身を隠した方がいいだわよ。あの探知系の道具がまだ無いとも限んないだわし」
美魅のその言葉に、メガネベアは腕を組み、考える様な仕草をし、
「は?あのおもちゃ屋に戻る?」
送られてきたテレパシーに、美魅は困惑の視線をメガネベアに向けた。