間章その三『守れ!男の?????』7(終)
★美羽★
…………。
「ではでは、若者の迸る情熱の形を拝見させて貰いましょうか」
「あらあら?あの黒樹君ですからねぇ〜。どんな物が入っているか」
「結構引くぐらいの物が入ってるんじゃない?」
などと会話をしながら、響を抑え、その手に持つ段ボールを奪い、ガムテープをはがす三人。
……ん〜……止めるべきなんだろうけど………興味がないって言えば……無いわけじゃないし……どうしよう?
って逡巡している内に、段ボールが開けられちゃって……………?………怪訝そうな顔をして固まる三人。
その反応に意味が分からず、私も段ボールを覗き込むと、そこに入っていた物は……………。
★飛矢折★
「巴先輩。これもその本棚に入れておいて」
なんだか残念そうな、安堵した様な表情をして、赤井さんは私に緑川君が持ってた段ボールを渡し、引っ越し作業に戻った。
渡された箱の中には、色々な動物の写真集が入って………部屋を見回すと、
「なんであれを隠せって言ったんだろう………」
釈然としない表情の緑川君や、
「探すのよー」
「おー」「おー」
引っ越し作業と言うより、家探しをしている他三人。
……………まんまと夜衣斗君の作戦に引っ掛かってるし………。
あたしは思わずこぼれる苦笑を全員の死角である本棚の方に向けて隠した。
あの黒樹君だもの、巧妙に部長達が探している様な物が見付からない様にしているはず…………そう、例えば、この沢山ある本の中、表紙だけを変えて………
などと思いながら、偶々取った漫画を開くと…………
「巴?……どうしたの?なんだか顔が赤いよ?」
「ふえ?あ!ううん……な、なんでもないよ美幸」
「……ふ〜ん?」
間章その三『守れ!男の?????』終了
これで間章その三『守れ!男の?????』は、終わりです。
次の章は間章その四……ではなく、間章その三の裏で起こっていた話・間章その三裏『美魅様とメガネベア』となっております。
引き続き見て頂けると幸いです。