間章その三『守れ!男の?????』4
★飛矢折★
この間来た時も思ったけど………一人の荷物の割には随分段ボールが多い様な………。
そんな事を思いながら、あたしは赤井さんと二人で黒樹君の部屋に来ていた。
他の人達は、あんまりぞろぞろと狭い部屋に入るのはなんなので、っと言う理由で、今、家主の黒樹春子さんも含めて部屋の外にいる。
………まあ、ほとんどの人が面白半分で付いてきた感じがするから……いいんだけど………やっぱり、何だか赤井さんと二人でいるのは……妙な雰囲気になる様な……。
「辛そうですね………」
そう言う赤井さんは心配そうな顔で黒樹君を見ている。
黒樹君は、苦しそうに息をしていて………
「ん〜……でも、ちょっと我慢してくださいね夜衣斗さん」
?……我慢?
妙な事を言って、赤井さんは、黒樹君の寝ている蒲団の端を持って、あたしを見た
「巴先輩も手伝ってくれません?」
……あれ?呼び名が名前になってる………って、そんな事より、
「運ぶの?こんな状態の黒樹君を?どこに?なんで?」
「引越しの代理をしようと思うんです」
「代理って………何もこんな日にやらなくてもいいんじゃない?黒樹君が元気な時に手伝うとか……」
「ん〜……それじゃあ、驚いてくれないじゃないですか」
「驚かせる必要なんてあるの?」
「喜んで貰いたいんです」
「勝手にやって、逆に怒られるんじゃない?」
「怒りませんよ」
………随分確信を持って言うな………でも、私もまだ彼と出会って一週間ぐらいしか経ってないけど………彼が起こる姿は想像できない……かな?………困った雰囲気にはなるだろうけど………
「手伝ってくれますよね?」
赤井さんのその問いに………あたしは特に断る理由はなかった。