間章その三『守れ!男の?????』3
★???★
ばったりと黒樹春子の借家の前で鉢合わせになる赤井美羽・飛矢折巴・黄道美幸。
「夜衣斗さんのお見舞いですか?」
「うん……そっちも?」
「……はい」
………何だか微妙な雰囲気の二人を見て、クスッと笑ってしまう美幸。
「……ところで、何で朝日さんがいるんです?」
「……そっちこそ、何で青葉さんと緑川君がいるわけ?」
互いに背後に視線を向けて、互いに困った顔をして、深い溜め息をほぼ同時に付く二人。
二人が夜衣斗の見舞いに行くとどこからか聞き付けたらしい二人の部長ズが、それぞれの部員に面白がって付いてきているのだ。ため息も吐きたくなるのは当たり前かもしれない。
「とにかく、緑川君。黒樹君は病人なんだからね。大人しくしているのよ」
っと巴が言うと、響はやや怯えたように何度も頷く。
「部長達もですよ」
っと美羽が言うと、意味深な微笑みを二人の部長が浮かべるので、不安にならざるえない。
「………それにしても………なんですそれ?」
美羽はさっきから気になっていた物に視線を向けた。
美幸の隣で0.5具現化しているゆきちゃんが、軽々と持ち上げている一メートルぐらいある紙包み。
大きな人形でも入ってそうな紙包みだが、男の、しかも、只の風邪の相手に持って行くにしては、かなり大げさに見える。
美羽のその問いに、困った様に顔を見合わせる巴と美幸。
「商店街でお見舞いのフルーツとか買ったら、くじ引きの回数券を貰っちゃって………っで、これが当たっちゃったの」
っと美幸。
「……それって………二等の!?」
「え?あ!うん」
驚く美羽に、ちょっと戸惑った様に頷く美幸。
「それ狙ってたのにぃ〜!!いいなぁ〜いいなぁ〜」
妙にテンションが上がってる美羽に、全員の困惑した視線が集まり、それにハッとした美羽は、ちょっと照れた様に頭を掻いた。