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間章その二『うさぎと魔人』26

  ★美羽★

 「………えっと……その………は……はぅうう!」

 もじもじして挨拶し掛けて、結局飛………巴さんの背中に隠れる美幸先輩。

 ………この人は………これがあるから苦手なんだよね……大体いつも頼れる誰かの後ろに隠れてて………

 「…………………………………………」

 隠れてもじもじしている美幸先輩に、困惑の視線を向ける夜衣斗さん。

 それでますます巴さんの陰に隠れてしまう美幸先輩。

 その腕の中にはレベル0.5になっているゆきちゃんがいて、じーっと美幸先輩を見ている。

 結局、どうやってもゆきちゃんの具現化は解けなくて……結局、美幸先輩の腕の中で常に抑えなくちゃいけないみたい。

 そうしないと、美幸先輩のちょっとした事に反応して暴れちゃうみたいで………もう治んないのかな?………。

 いつまでも飛矢折さんの背中から頭を出しては引っ込んでを繰り返してた美幸先輩に、夜衣斗さんは痺れを切らしたのか溜め息を吐いて、

 「………黒樹夜衣斗です」

 「お……黄道……み…美幸です」

 ……………?………なんか夜衣斗さんが妙な雰囲気を出している様な………あ〜もしかして………

 「夜衣斗さん。もしかして、美が付く人が多いなって思ってます?」


  ★夜衣斗★

 ………こう、何で美羽さんは俺が考えている事があっさり分かるんだろうか?………武霊使いになると感がよくなるとか?………何だかね………。

 「星波町には、星波神社って言う古い神社があるんですよ」

 っと黄道さんの家からの帰り道にそんな話をし出す。

 「そこの神社は隕石を神様にして祭っているんですけど」

 ああ、なるほど……そこの神様が

 「………その神様はあんまり関係なくって」

 関係無いんかい!

 「その神社に住んでいる不思議な猫がいるんですよ」

 猫?

 「美魅(みみ)って言う雌猫なんですけど………不思議な猫で、可愛がったり、ご飯を上げたりすると、その人に幸運が訪れるらしいんです」

 ………実物の幸運の招き猫?……何だかね。

 「っで、最も不思議なのが、その猫は何百年も生きている………とか」

 ……………

 「いや、その、私もお母さんに聞いただけの話なんで本当かどうか知らないんですけど………でも、お祖母ちゃんとかが持っている古い写真とか見ると、全く同じ猫が写ってますから………もしかしたら……」

 ………所謂化け猫か………武装守護霊みたいなのが実際にあるんだ…………そう言うのもいても……驚きは……するか?………まあ、何にせよ。よっぽど安定した遺伝子を持っている猫って可能性もあるだろうし………ってか、それと名前に何の関係が?

 「その美魅様………様付けで呼びなさいってお母さんに言われてるんです……って、物凄く綺麗な猫で、先も言った通り、関わった人に幸運をもたらすから、それにあやかってこの町で生まれた女の子には、美って文字を付けることが多いんです」

 ………なるほど……って事は、まだまだ美って付く人がこの町にかなりいるって事なんだよな……………幸運をもたらす化け猫ね………休みの日に行ってみようかな?

 「ちなみに、そう簡単に出会えないみたいですよ?………実は私も美魅様に会いたくて、子供の頃に星波神社によく行ってたんですけど………一回も会った事がないんですよね………話によると、武霊が現れるようになってから一度も目撃された事がないらしいですから…………もしかしたら、はぐれに……食べられちゃったかもしれませんね………」

 ……………何だかね………

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