間章その二『うさぎと魔人』25
★夜衣斗★
飛矢折さんからメールが来た。
そのメールには、「こっちは無事に終わったよ」っと書かれていたので、俺はほっと胸をなでおろした。
っで、緑川を見ると、肩で息をしながら力無く「行けー」だの「そこだー」など言っている。
………とっとと諦めれくれないかな………。
緑川のあまりのしつこさに、俺は深い溜め息を吐く。
今に至るまで、計五回ほど決着を付ける機会はあった。
その度に、緑川に倒せたぞ?っと言う意味を込めて、指を立てて教えていたが………逆効果だったのだろうか?………どう考えても、イフリートにとってオウキは相性が悪過ぎる気がするし、実際にそうだった。だが………緑川はそれを根性でどうにか出来る……っと考えている様だった。
………まあ、何にせよ………このままだったら意志力の使い過ぎでぶっ倒れそうだな………流石にそれは不味いか……。
そう思った俺は、イフリートの連続火炎弾を避け続けているオウキに攻撃命令を出した。
オウキは瞬時に対戦車ライフルをイフリートの頭部に向け、装填された冷凍弾を放つ。
冷凍弾は狙いたがわずに頭部に当たり、一瞬の内に頭部を凍らせ、続け様に振り下ろす様に対戦車ライフルを下ろし連射。
連射された全ての弾丸は全弾命中し、イフリートは氷漬けなり、霧散した。
緑川を見ると、膝を付き項垂れている。
「はい。勝負あり。夜衣斗君の勝ち」
そう言って団長は俺に微笑みかけてくれた。
っで、戦いを見ていたギャラリーから拍手と喝采を向けられ………俺はどうしていいか分からず………頬を掻くしかなかった。