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間章その二『うさぎと魔人』20

  ★飛矢折★

 ………いくら武霊で壊した物は後で直るからって………無茶苦茶やる子だな……赤井さんって。

 そう思いながら、あたしはコウリュウの具現化を解いて道を開けてくれた美幸の部屋に入った。

 「美幸……」

 「……巴……」

 泣きそうな顔をしてあたしを見る美幸。

 ずっとずっと謝りたかった。

 「あのね美幸」

 謝る為に一歩近づこうとした時、美幸の身体が僅かに硬直したのが分かった。

 本人も気付かないような………僅かな硬直だったけど………やっぱり、黒樹君の言ったとおりだった。

 黒樹君は、「黄道さんが口では嫌ってない、気にしてはいないって言ってはいても……一度芽生えた恐怖はなかなか消えないものです………飛矢折さんだって経験があるでしょ?………そして、それを克服する大変さ、難しさも………だから……多分ですが、今の黄道さんは、自分を騙しているんでしょう。飛矢折さんの対して恐怖を感じていないって………飛矢折さんの為に……自分の為に………でも、それは……結局……逃げているだけで…………逃げるのも、一つの手でしょうが………今回の場合は、それが最良じゃない。だからこそ、その原因である飛矢折さんが黄道さんに会えば…………きっとこの問題は解決します」

 って言ってたけど…………本当に……解決するのかな?……ううん。解決しなくても、少なくとも、これだけは言っておかないと、

 「ごめんね美幸」

 あたしの謝罪の言葉に、それまで伏せがちにあたしを見ていた美幸が、はっとあたしを見た。

 「あたしが未熟だったばかりに………」

 「違う!違うよ巴………あれは私がいけないの………知ってたのに、分かってたのに、あんな状態の巴に不用意に近づいた私が……」

 ぽろぽろと泣き出す美幸に、あたしの視界が歪んだ。

 ………どうも最近のあたしは涙腺が緩んでる気がしないでも………

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