間章その二『うさぎと魔人』3
★美羽★
一週間ぶりに夜衣斗さんと一緒に登校する。
そんなに経っていないのに、随分一緒に登校しないない気が………って、考えて見れば、二日しか一緒に登校してない様な…………あれ?……っげ!?
夜衣斗さんとの関係性の薄さにちょっと悩みながら、見えてきた学園大橋を何となく見ると
………そこに、仁王立ちで歩道の真ん中に立っている『馬鹿』を見付けた。
そいつは、まだ冬服の時期だって言うのに、夏服に既になってるんだけど、ちっとも寒そうじゃなく、むしろ見ているだけでこっちまで暑苦しくなりそうなむきむきな身体つきをしてて……もう、見るからに筋肉馬鹿で……。
その馬鹿は誰かが横を通る度にギロリと睨んでいるので、登校中の他の学園生が迷惑そうに見ている。
………何や……
「ってんだぁ!!!!」
思わずダッシュで走り出し、飛び蹴りを馬鹿に放ってしまう私。
「うお!いきなり何するんっすか。美羽先輩」
っと言って、飛び退いて蹴りを避ける馬鹿。
ッチ!避けるな。
思わず出たダークな私。
っで、はっと気付いて、夜衣斗さんを見ると、やや呆然とした雰囲気で私を見ていた。
………え〜っと………とりあえず、
「通行の邪魔だから、こっち来なさい」
「え?あ!っす!」
馬鹿を引っ張って、夜衣斗さんの所まで戻る私。
「美羽先輩。こいつ誰っすか?」
何だか値踏みするような視線を夜衣斗さんに向ける馬鹿。
………この馬鹿があんな行動をする時って………大抵……………この様子だと、夜衣斗さんが『探している相手』だと、まだ気付いていないみたいだし………誤魔化さないと
「後で紹介して上げるから……その前に、停学とけたの?」
「っす!昨日で終わったっす」
「……っで、また停学になりたいわけ?」
じろっと馬鹿を睨むと、馬鹿は一歩身を引いて、両手と首をブンブンと横に振った。
「とんでもないっす。もう、先輩方に迷惑を掛ける様な事はしないっす」
っと言っておきながら、
「自分は只、すげえ武霊使いが転校してきたって聞いたから……」
「っち・っとも・は・ん・せ・い・し・て・な・い」
「……っす」
私の激怒にしょげる馬鹿。
でも、きっと反省していないだろうなぁ〜だってこいつ、武霊研究部の後輩『緑川 響』は、重度のバトルマニアだもの………そのバトル好きが災いして、校内で禁止されている武霊使い同士の私闘をして、停学を受けていたわけだけど……………停学程度で、こいつがバトルを止めるわけがない。その証拠に、今も、今話題の武霊使いである夜衣斗さんを探して待ち伏せしていたんだから………。
……それにしても……その探している相手の顔を知らないなんて……本当に響は馬鹿ね………でも、今はその馬鹿でた
助かったって思おうとした時、不意に視角外から今この場で言ってはいけない名前が聞えた。
「黒樹夜衣斗様。おはようございます」
響の顔がしょげた顔から、獰猛で嬉しそうな顔になった。