第二章『カウントする悪魔』79
★???★
留置所の中で、果てる事も無く数を数え続ける。
ギチギチと音を立てて暴れようとする本能を、それで何とか止める。
それと共に反芻するのは、壊し切れなかったあの女の事。
それを思う度に、本能が暴れ、数を数えるのを止められなかった。
そして、本能を抑え切るのを限界に感じは閉めていた時、あいつらが現れた。
あいつらは見た目が子供だと言うのに………化け物だと感じた。
あの女も一種の化け物だと思ったが、あいつらは別格過ぎた。
本能が今まで感じた事がない恐怖を感じる程に。
そして、ある場所に連れて行かれ、何かをされた。
何をされたのかは分からない。だが、気が付くと廃校にいて、クラッシュデビルにカウンターが進む度に破壊力の増す能力が付与されていた。
それだけではなく、「打てば膨大な意志力を得られる。ただし、打った後のどうなるかは一切の保証は出来ない」と書かれたメモと、注射器があり、そのメモには次のはぐれ発生日と時間と上に書いてある数字も書かれていた。
何のつもりか知らないが、どうやってはぐれの発生を正確に予測したか分からないが、これには都雅は笑うしかなかった。
★夜衣斗★
「あれは、簡単に言えば、強化処理をされた武霊を武霊使いがフルに使う為の武霊使い強化薬だな」
強化処理?武霊使い強化薬?なんだそりゃ………ってか、やっぱり知ってやがるか………本当に何者なんだ。あんた。
「言っただろう?それについては何も言えない。ただ、僕は君の」
最後の敵だって言うんだろ………はぁ………
っで、そう言う物があるって事は、武霊を非合法かつ本格的に研究している連中がいるって事か?
「…………今は何も教えられない」
これもかよ………。
「迂闊にこちらが知っている情報を君に教えると、僕の事が僕の運命の敵に伝わりかねない。今、それだけは絶対に回避しなくてはいけない」
………つまり、俺があんたから知った事を調べるのは危険なわけか………今の段階では………
「そう言う事だ」
まあ、正直、俺自身が積極的に関わる気はないから……それは別にいいんだが………結局は関わって行く事になるんだろ?あんたの運命の敵と。
「未だに予知がしにくい事から考えると、直接的ではないだろうが、しばらくはそうなる可能性が高いな」
………胃が痛くなってきた………これに終わりはあるのか?
「最後の戦いで、どちらかが勝利すれば」
どちらかが?………もしかして、あんたにとっても俺は最後の敵なのか?
「ああ、そうなるな」
………………まあ、そうだよな。勝たせてくれるなんて虫のいい想ぞ……………?……ってか、なんで俺のが最後の敵になるんだ?
「その時になれば分かるさ」
………そりゃそうかもしれないが………どうも想像出来ないんだけど………進んで誰かを倒そうとする俺の姿を………