第二章『カウントする悪魔』73
★夜衣斗★
気が付くと、俺は自分のベットの上に寝かされていて………夜になっていた。
まだ頭がぼーっとする中、未だに段ボールで埋まっている部屋を……早く片付けないとな……なんとなしに見回すと、机の上に卵焼きとおにぎりとペットボトルのお茶と手作りぽいクッキーが置いてあった。
書置きもあったので、ベットから出ないまま背を伸ばしてそれを取って見る。
「「起きたら食べてね美衣&美羽」」
っと書いてあった。
………普通に考えれば、卵焼きとおにぎりは美衣さんで、クッキーが美羽さん製か?………ありがたく頂きます。
起き抜けだと言うのに、物凄い空腹感を覚え………まあ、あんだけ動いたんだから、無理もないか………たので、いつも以上のスピードでおにぎり、卵焼きを食べてしまった。
っで、クッキーまで手を伸ばし、口にする………と…………………?……………美味くも無く、不味くも無く……………明日コメントを求められたらどうしよう?…………
物凄く微妙なクッキーの味に頭を悩ませていると、机の上に置いてあった携帯が震えた。
なんとなく掛けてきた相手を予想しつつ、携帯のディスプレイを見ると………予想通り、最後の敵からだった。
………もしかして、これから何かあって解決する度に掛けてくるつもりなんだろうか?………なんだか、某ゲームみたいだな………
などと思いながら、携帯に出る。
「こんばんは、黒樹夜衣斗。調子はどうだ?」
………まあ、よくはないな。
溜め息一つ。
「そうか。ぎりぎりの戦いをしたんだ。無理もないだろう」
っで、何の用だ?只単に俺の調子を聞く為に電話したんじゃないんだろ?
「その通り、前回同様に君には今回の宿命の悪意。五月雨都雅の事を知って置いて貰いたい」
………宿命の悪意ね……
「君だって何も知らないまま終わるのは不本意だろ?」
そりゃ……そうだが…………なんだかな……