第二章『カウントする悪魔』64
★夜衣斗★
最後の切り札は、飛矢折さん。
あなただ!
俺は全てをあなたに賭ける!!
そう強い意志を込めて飛矢折さんを見詰め、
「PSサーバント!右手銃」
っと言うと同時に、持っていた拳銃を離し、瞬時に構成された拳銃を都雅に向けた。
間髪入れずに、都雅に向けて、撃つ。
それを察知していた都雅は振り向きざまに右手だけを憑依具現化し、撃ち出した銃弾を霧散させた。
笑う都雅。
憑依具現化した右手をよく見ると、小指だけ憑依具現が起きていない。
「死なねぇ程度に壊してやるよ」
「やれるものならやってみろ!」
★飛矢折★
「PSサーバント!右手銃」
彼がPSサーバントの銃を使って発砲。
あいつは振り向き銃弾を防御した。
震える身体。
折れた心。
彼はそんなあたしなんかに………命を掛けた。
何の為にあたしは武術をやっている!?
今、この時の為でしょ!?
言う事を聞けあたしの身体!
なけなしの勇気を振り絞って、あたしの心を支えろ!!
飛矢折巴!!!
「死なねぇ程度に壊してやるよ」
あいつがそう言うと同時にあいつの武霊の右腕がゆっくりと動き出す。
あたしの心が静まるのを感じた。
「やれるものならやってみろ!」
そう言って、再び銃を撃つ彼。
今!PSサーバント!右手刀、非殺傷モード!!
右手首に刀の柄が現れるのを感じ、ほとんど反射的に柄を握り、無心になった。