第二章『カウントする悪魔』57
★夜衣斗★
俺と対峙し、俺の後ろのコンテナへと視線を向け笑みを浮かべる都雅。
どうやら、隠れる事は無駄らしい。
って事は………。
不意に都雅が何もない空間に拳を振るった。
破裂音っと共に、ステルスサーバントの機能で固定透過(移動させていない物体を透過させる機能。この場合は、ステルスサーバントのナノマシンを吹き付けるだけで、本体は近くにある必要はない)させたソードサーバントが消滅したのを、PSサーバントの機能の一つアイディスプレイ(目の中にもう一つの画面がある様に脳に直接情報を送る機能)で確認した。
スカウトサーバントで確認したカウンターの数は、右手が五百四十、左手が四百十一。
……当たれば即死の攻撃……………だが、やるしかない。
俺は決意と共に二丁拳銃の引き金を引いた。
★???★
夜衣斗の二丁拳銃から連射される弾丸。
都雅はレベル3の具現化を通常に戻し、両手で頭を守りながら突進。
直撃する弾丸。
だが、手に当たる弾丸は一瞬で消滅し、身体に当たった弾丸は半透明のクラッシュデビルに少しめり込むだけで終わった。
一瞬で間合いの詰まる二人。
都雅が右フックを夜衣斗に放ち、夜衣斗はそれを後ろに倒れる様に避け、倒れながら拳銃を連射。
放たれた弾丸は、クラッシュデビルの腕や足にめり込む。
倒れる夜衣斗の身体が地面に着く前に、PSサーバントのマントを翼に変化させ地面すれすれを飛び、急上昇。
天井すれすれで上昇を止めた夜衣斗は、そのまま旋回しながら二丁拳銃のマガジンをそれぞれ無言具現化、マガジンを取り換え、都雅向かって二丁拳銃を連射。
都雅は弾丸を物ともせず夜衣斗に向かってジャンプ。
それを見た夜衣斗はPSサーバントの飛行モードを止め、落ちる様に都雅の攻撃をかわしつつ、都雅のジャンプが頂点に達したのを確認し、
「爆裂弾。ブレイク!」
っと叫んだ。
その瞬間、クラッシュデビルの身体にめり込んでいた弾丸が一斉に爆発した。