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第二章『カウントする悪魔』54

  ★夜衣斗★

 廃倉庫の真ん中付近で、俺は都雅を待ち構えている。

 都雅の位置はスカウトサーバントから送られてくる映像で確認しているから、今待ち構えていなくてもいいんだが、早めに行動を起こしていないと、不安でしょうがなかった。

 頭の中で『考えた作戦』を何度も思い返しながら、送られてくる映像に集中し………都雅が、笑みを浮かべているのに気付いた。

 また不快感が俺を襲う。

 ………さっきから思っていたが………こいつ……壊すだの壊せだの言ってたが、その『壊す対象に自分も入ってる』んだろう……だから、自分の命の危機にも笑える………………………まあ、今はそんな事を気にしている場合じゃないな………。

 後数分後には、俺だけじゃない、飛矢折さんの命も掛かった大勝負をしなくちゃいけない。

 気合を今まで以上に入れないと………………ヤバい。緊張と恐怖と不安で、頭の中がぐちゃぐちゃな上に、心臓の鼓動が痛いぐらい高まって、身体が震え出している。

 落ち着け、落ち着け俺。こんなんじゃ、いざ都雅を目の前にした時、身体が動かないぞ。

 そう思って深呼吸をしたが、都雅が一歩一歩こちらに近づく度に、それが酷くなっていく。

 剛鬼丸や高神麗華の時は、突然で、決着まで間が無かった。

 だが、今回は間がある。

 元々ヘタレである俺には、この間は非常に厄介だ。

 つまり、この間で、剛鬼丸や高神麗華戦を乗り切った『キレた状態』から、『普通の状態』に戻りつつある。っと言う事だ。

 俺には熱しやすく冷めやすい所もあるので、持続しにくい怒りの維持とコントロールなんて出来るはずもない。

 終にはさっきの発言を後悔しそうで………戦う前から自分に負けつつある。

 こんな状態で………俺に出来るのか?……………いや、しなきゃいけないんだ。

 飛矢折さんを守る為に……そして、俺が俺として生き残る為に!

 そう改めて決意した時、都雅が………廃倉庫の前に現れた。

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