第二章『カウントする悪魔』44
★美羽★
三体目のはぐれを倒した時、美春さんの星電に連絡が入った。
コロ丸に指示を出しながら星電に出た美春さんの表情が、驚きに支配され……眉を顰めた。
「ああ……わかった。ここが終わったらすぐにそっちの応援に行く………分かってるとは思うが、レベル3に下手な攻撃は……」
レベル3?
「近付かずかず、遠距離からの武霊指示で時間を稼いで……ああ。頼む」
「……何かあったんですの?美春お姉様」
通話を止め、星電を仕舞う美春さんに、不安そうな表情で問い掛ける琴野。
美春さんは、少し考えて、
「五月雨都雅が現れて、襲われたって通報があったそうよ」
都雅?このタイミングで!?……あれ?でも、都雅って、確か、
「……しかも、何でか知らないけど……レベル2を飛び越して、レベル3の具現化まで身に付けているそうよ」
レベル2を飛び越してレベル3!?
あまりにもありえない話に、驚いて、つい琴野と顔を見合わせてしまった。
お互いに微妙な顔になる。
「それと美羽ちゃん。驚かないで聞いてね」
「はい?」
「襲われたのって、夜衣斗君と」
「夜衣斗さんが!」「黒樹様が!」
同時に声を上げて、再び互いの顔を見合わせる私と琴野。
また、お互い微妙な顔になる。
「……何とか逃げる事が出来たらしいから、今は無事だそうよ。一応待機中だった人達に救援に行くように指示はしてあるけど……相手はレベル3。しかも間の悪い事に、私以外のレベル3の自警団はまだ星波町に帰ってきていないの………だから、早くここを片付けて、助けにいくわよ」
「はい!「勿論ですわ!」
………何でまた重ねるかな…………直に助けに行きますから……無事でいて下さい夜衣斗さん!