第二章『カウントする悪魔』43
★夜衣斗★
オウキの具現化が強制的に解除される直前、今まで感じた事がない強烈な意志力消費を感じ……気が付いたら俺は見知らぬどこかに寝かされていた。
穴が開いた天井が見える。
周りを見回すと、所々錆び付いたコンテナと……飛矢折さんがいて………濡れた制服を気持ち悪そうにしていた。
……何だか、濡れた髪が……いろっぽな………何考えてんだか俺は………。
俺の視線に気が付いた飛矢折さんは心配そうに、
「大丈夫?」
っと聞いて来たので、俺は頷いて、上半身を動かそうとして………力が入らず、起き上がれなかった。
………多分、刹那的な激突だっただろうが……どんだけ意志力を消費してるんだ?……あの時の状況から考えて、オーバードライブもをフルに使ったんだろうが………俺が気を失ったら本末転倒だろうがオウキ………まあ、オウキもまだオウキに慣れていないって事なんだろうか?…………ってか、よくこの状態で意識を取り戻したな……俺……………そうだ!寝っ転がっている場合じゃない!
そう思った俺は動き難い腕を動かそうとして、
「まだ横になってた方がいいよ」
っと飛矢折さんに言われた。
……そうしたいのは山々だが……。
その俺の考えを察したのか、飛矢折さんは微笑んで、手に持っていた星電を見せた。………俺のだ。
「さっきあなたの星電で自警団に連絡したから、直に助けが来ると思うよ。だから、寝てても大丈夫だよ。きっと」
………確かに俺も星電を使って自警団に連絡しようとした………だが………今、思ったんだが………これが死の運命なら………多分……