第二章『カウントする悪魔』40
★飛矢折★
彼の命令に、マントが翼の様な状態になり、同時に浮遊感を感じて、落下が止まった。
下を見ると海面が高速で流れている。
飛んで……るの?
………こうまで色々と出来る武霊使いなんて………聞いた事がない。
…………でも、それは、それだけ彼が『内側に重心を置いている』って事で…………?
彼の呼吸がどんどん荒くなってくるのを感じた。
飛行もだんだん安定しなくなり始めてて………何が起こってるの?
★???★
学園大橋を破壊した都雅は、そのまま夜衣斗達を追おうとした。
だが、その都雅をオウキが海に叩きこむ。
瓦礫と共に海に沈む都雅。
それを追って海に入るオウキ。
海中に入ったオウキは背中からオーバードライブで禍禍しくなったウイングブースターを出し、まるで空を飛んでるかの様に海中を進み、都雅に突撃する。
腹部に拳をめり込まされた都雅はくの時曲がり、海中を物凄い速さで吹き飛ばされた。
その際に、クラッシュデビルの両拳がウイングブースターにあたり、破壊される。
本来なら、この突撃に一撃必殺の威力があるのだが、オウキは夜衣斗から殺傷の許可を得ていなかったので、ギリギリで手加減をした。
これにより、反撃の隙を与えてしまい、ウイングブースターを壊される結果になる。
機動力の落ちたオウキに、海中を蹴る様に泳ぎ、泳いでいるとは思えない速度で迫る都雅。
その速度に回避出来ないと判断したオウキは、オーバードライブのエネルギー装甲を厚くし、その体を一回り大きくした。
それは、より意志力の消費が激しくする行為で、その消費に逃げている夜衣斗がついていけなくなり始めているのをオウキは感じていたが、今さら止めるわけにもいかず、オウキは都雅の拳を差し出した突撃を受け止めた。
オーバードライブモードの装甲が、瞬く間に削られ、そして、
都雅のクラッシュデビルの両腕はオウキの身体を『真っ二つ』にした。