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第二章『カウントする悪魔』26

  ★飛矢折★

 放課後。

 昨日と同じ様に、意志力の温存策に出たのか、逆鬼ごっこの参加者は零だった。

 だからあたしと彼は、土曜日って事もあって、いつもより早く下校して、学園大橋を徒歩で渡っている。

 もっともそのせいで、僅かだけれど他にも下校している生徒がいて………視線を集めていてた。

 …………本当に余計な事してくれたよ………朝日部長。

 ………まあ、でも………これだけ離れてれば………。

 少しだけ後ろを見ると、彼は、昨日よりやや離れて歩いていた。

 ………多分、あたしと彼に対して流れている噂を耳にしたんだと思う………申し訳ない事をしてしまったかもしれない………こんな暴力女と関係が噂されるなんて………きっと嫌な気分に。

 そう考えた時………妙な胸の痛みを………え?……これって………まさか!?………まさかね……………?

 ふっと気が付くと、他の下校中の生徒達が立ち止まって、不審そうな目を町側へ向けていた。

 釣られて同じ方向に視線を向けると、そこに

 『あの男』がいた。


  ★夜衣斗★

 学園大橋の終わりに、まるで歩道を塞ぐかの様に一人の男が立っていた。

 不意にフラリと現れたその男に、進路塞がれた他の下校中の生徒が思わず立ち止まり、不審そうな目をその男に向ける。

 俺はその男を見た瞬間、全身に『得体のしれない寒気』を………いや、今まで感じた事がない『得体のしれない恐怖』を反射的に感じていた。

 「あ……ぁ……」

 前を歩いていた飛矢折さんが、言葉にならない小さな声を出す。

 身体が震え、一歩二歩っと後ろに下がる飛矢折さん。

 ……もう間違いない。

 『その時』が来たのだ。

 俺は緊張と恐怖で生唾を飲み、逃げたしたい気持ちを無理矢理押し込んで………飛矢折さんの前に出た。

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