第二章『カウントする悪魔』21
★飛矢折★
……なんだろう?
今朝は随分と張り詰めた雰囲気を彼は出していた。
何があったんだろう?
そう疑問に思っている内に、学園大門前までやってきて………彼はあたしを見た。
「………今日は、先に行ってください」
「先に?」
頷く彼に………あたしは特に断る理由もないで、
「じゃあ、先に言ってるね」
そう言って先に学園大門を通ると、学園大門の向こうには、隠れてはいるけどあっちっこっちに殺気立っている逆鬼ごっこ参加者の気配を感じた。
辺りに漂っている雰囲気から……多分、部活の垣根を越えて連盟を組んでる。
……昨日見たいに何か考えがあるんだろうけど………どうするつもりなんだろう彼。
少しだけ、昨日と違う彼に………よく分からない不安をあたしは感じていた。
★美羽★
結局、昨日も都雅を見付けられなくって、遅刻ギリギリまで寝ちゃってたんだけど…………何この惨状?
少し慌てて学園大門をくぐると、学園庭園の至る所で意識を失っている………っと言うより寝ている人達が目に入った。
………えっと……普通に考えると………夜衣斗さんの仕業だよね?。
困惑しながら周囲を見回していると、クラスメイトの一人がいたので、何があったか聞いてみた。
なんでも逆鬼ごっこが始まると、夜衣斗さんは初日の様に二度目の鐘が鳴るまで動かなかった。
また偽物かと疑り、いくつかの部活がその場から動こうとすると、まるでこの場にいる自分が本物だという様に、夜衣斗さんはオウキを具現化。
逃げの一手だった今までの夜衣斗さんのあまりにも違う行動に、逆鬼ごっこ参加者が戸惑う中二度目の鐘が鳴り、それと同時に夜衣斗さんはオウキから無数のサーバントを出して、逆鬼ごっこ参加者に突撃させて、サーバントからガス散布。
そのガスは吸うと寝てしまうガスで、慌てる逆鬼ごっこ参加者を次々と眠らせ、既に具現化していた武霊はオウキと攻撃用サーバントがあっさり倒し………学園庭園にいた逆鬼ごっこ参加者全員を寝かしてしまった。っとの事。
……ん〜………何だろう?………会ってまだそんなに経ってないけど………夜衣斗さんらしくない様な………何かあったのかな?