表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
142/471

第二章『カウントする悪魔』20

  ★夜衣斗★

 逆鬼ごっこ四日目。

 昨日の放課後は、どう言うわけか………まあ、見当は付くが………ほとんど逆鬼ごっこ参加者がいなかったので、あっさり帰れた。

 そして、美羽さんは昨日も見回り、っと言うより、脱走した犯罪武霊使いの探索をしていたのか、今日も玄関前に美衣さんがいて、朝食を渡してくれた。

 ………何だか毎朝玄関で待って貰う、っと言うより、朝早くから朝食を作って貰うのも、かなり申し訳ないので、「明日からはコンビニで朝食を買います」って言おうとしたら、「主婦の朝は早いのよ」っと微笑んで言われたので………どうやら、美羽さん同様に俺の考えを見透かしている様で………流石親子。

 などとちょっと困った事を感心しながら、飛矢折さんを迎えに星波駅に向かっている………っと、不意に携帯だ震え出した。

 朝早く、しかも親と春子さんぐらいしか………つい先日多少は増えたが、俺の携帯の番号を知っている人間は少ない。

 その知っている人達が、こんな時間帯に電話を掛けてくるとは思えず…………嫌な予感がした。

 やや躊躇いつつ、携帯の画面を見ると………予想通り、画面には

 『最後の敵』

 っと出ていた。

 ………こんな登録した覚えはないんだけどな………何でもありか………


 「不味い事になった」

 携帯に出ると、挨拶も無しにそんな言葉が携帯から聞えて来た。

 まずい事?………今の状況以上にまずい事なんてあるのか?

 「僕の予知が利き難くなり始めている」

 ………それって………

 「そうだ。君への手助けがより難しい状況になった」

 なんだよそれ………そっちに何かあったって事か?

 「僕側にはそれほど大きな事は起こってない。変化が起こっているのは主に君側の方だろう………予想だが、私と君同様に『運命を変えられた者』が君の運命に関わり始めているんだろう。でなければ、こんな事は起きない」

 俺達以外に運命を変えられた者が?………あんたが知っているって事は、全員同じ人物に変えられたって事か………っで、運命を変えられた者が関わる運命は、本来の運命より多くの細かな分岐が起こり、大きな流れ以外は………弱い予知では読み切れなくなるって事だよな?………っで、そんな奴が、俺とあんたともう一人っで、計三人いるって事か………

 「僕の知る限りでは、運命を変えられた者は、後『六人』いる」

 六人も?………まさか、その全員が関わっている……のか?

 「その可能性はない……だが、今回の場合は、その六人の内の誰かだろう」

 ………誰か……ね……

 「もちろん。見当は付いている。だが………そいつだった場合……やはり、僕が君の手助けをしたのが、大きく影響しているんだろう………ある意味、予想通りではあるが」

 予想通り?……………もしかして……あんたが見当付いているって相手は………あんたの『運命の敵』……か?

 「……ああ、そうだ」

 …………。

 「………君に関わる前までの予知では、君の『今回の敵』は、もう少し先に事を起こすはずだったんだがな………その事を含めて、予想出来て然るべきだったのかもしれない………すまない」

 ………最後に敵になる奴に謝られてもな………

 「っふ……そうだったな………では、僕が知り得た限りの情報を教える」

 ……知り得た限りね………

 「五月雨都雅。それが今回の敵の………まあ、今名乗っている偽名だな」

 偽名って………本名は?

 「知る必要ないだろ?それに、本名は奴にとって、捨てた名前。意味はない」

 ………まあ、どうでもいいが……っで、その都雅って奴は……なんなんだ?

 「君が星波町に来る前に捕まり、先日脱走した連続婦女暴行魔の犯罪武霊使いだ」

 やっぱり………そいつか………って、どうして、こう、嫌な予感・予測はよく当たるんだろうか?………はぁ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ