間章その一『星波学園の人々』49
★飛矢折★
道場から誰かが去って行く気配を感じた。
「もう大丈夫みたい………出ましょうか?」
私は一緒に『更衣室で隠れていた』彼にそう言うと、とてつもなく居心地が悪そうにしていた彼は直に頷いた。
………女の子しか使ってない場所だから…………結構男の子の目のやり場に困りそうなものが散乱してて………でも、他に隠れる場所がないからっと言って、彼から上着を受け取った朝日部長が、何故か私も一緒に、無理矢理彼をここに押し込めたんだけど…………あれは絶対に面白がってた。
更衣室から出ると、部活のメンバーが集められ、座らされている所だった。
「………朝日部長?」
私が疑問の声を朝日部長に掛けると、朝日部長はいかにも悪巧みをしていそうな笑顔を私に向けた。
「はいはい。巴も座って。あ!君は、私の隣に来て」
そう言われて、座らないわけにもいかないので、朝日部長の前に私は座り、彼は困惑しながら部長の隣に移動する。
「はい、では発表します」
その言葉に、この場にいる部活メンバーは、一斉に嫌な予感を覚えたと思う。
朝日部長のこういうパターンで何かを言う時、大体が迷惑な(本人だけが楽しい)厄介事を言い出す事が多くて………。
「巴が彼を気絶させちゃったお詫びとして、逆鬼ごっこ中、彼をここで匿いま〜す。以上」
…………………え?
間章その一『星波学園の人々』終了
まだ夜衣斗の逆鬼ごっこは終わってませんが、これで間章その一『星波学園の人々』は終了です。
次の章は第二章『カウントする悪魔』です。
引き続きこちらも読んで頂けると幸いです。