間章その一『星波学園の人々』45
★美羽★
放課後になってすぐ、私は夜衣斗さんの教室に行って、朝のホームルーム後に確認した夜衣斗さんの席にから夜衣斗さんの匂いをコウリュウに覚えさせ、それを頼りに夜衣斗さんを探している……んだけど………見つかったのは、透過しているステルスサーバントと夜衣斗さんの鞄だけだった。
やられた………流石、夜衣斗さん。こっちの二手三手先まで考えて行動してるなぁ〜………って、これじゃあ夜衣斗さんを捕まえられないじゃない!!どーしよ?
と思っていると、暴れるステルスサーバントを掴んでいたコウリュウが、唐突に困惑した声を上げた。
「どうしたのコウリュウ?」
その問いに、コウリュウは自分の背中に乗っている私に空の両手を見せる。
「逃がしちゃったの?」
首を横に振るコウリュウ。
具現化を止めたのかな………でも、鞄を放置したまま?…………と言う事は、誰かに気絶させられた?誰が?どうやって?
気絶させるほどの攻撃をオウキが防御しないなんて事はないと思うんだけどな………じゃあ、事故?………でも、もし、夜衣斗さんが気絶させられているなら、逆鬼ごっこの終了の鐘の音とメールが届くはず…………………?
鐘の音も、メールも、いくら待っても鳴らないし、来ない………普通は捕まえたらすぐに、他の参加者に邪魔されない様に拠点に連れて行くと思うんだけど………と言う事は、まだ捕まってない?やっぱり、事故?………これって、チャンス?………
「コウリュウ。急いで夜衣斗さんを探すよ」
私の命令にコウリュウは一鳴きして答えた。