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間章その一『星波学園の人々』43

  ★夜衣斗★

 放課後。

 村雲の言った通り、逆鬼ごっこの参加者が増えているのか、校内の至る所に学生がいた。

 ……どうやら、捕まえられる人間はそれぞれの部活・同好会で三人までな様だが、捕まえさえしなければどれだけ人数が増えてもいいようだ。

 それに気付いたのは、同じユニホームを着た集団が………やたらとぎらぎらした目で周囲を窺っているのを度々見かけたからなんだが………逆鬼ごっこ参加者は、所属している所の格好をしなくちゃいけないんだろうか?………って事は、着ぐるみとか、シスターの格好とか、ビルダーパンツ一丁とか、ヒーロー戦隊と怪人の格好とか……普通の学校には明らかになさそうな部活・同好会があるって事になるんだよな………今朝も思ったが、何を考えているんだろうこの学校の教師陣……いや、経営陣か?…………まあ、そんな事より………さて、どうやって学園から出ようかな?

 俺が今いる場所は、高校棟のやや上空。

 背中のウイングブースターを広げて飛ぶオウキにお姫様抱っこをされながら、俺は逆鬼ごっこ参加者がうろうろする学園を見下ろしていた。

 当然、ステルスサーバントを使って姿を隠している。

 ………まあ、それでも、視覚以外が特化した武霊に見つかる可能性があるので、あまり同じ場所に止まっていると、見つかる可能性が高い………一応、匂いで俺の位置を特定できない様に、俺の服とか鞄とかを持たせたステルスサーバントを何機も学園内に飛ばしているので、しばらくは俺の位置は分からないだろうが……かと言って、このまま空から学園の外に出ようとすると………。

 俺は視線を学園上空に向けた。

 学園の空には、美羽さんのコウリュウを始めとした空を飛べる様々な武霊が、それぞれの武霊使いを抱えたり、乗せたりして飛んでいる。

 ……まあ、予想通りと言えば予想通りなんだが……。

 こうやって中途半端な位置で飛んでいるのは、上空の武霊達を警戒してで……よく見ると、上空の武霊達のほとんどは鼻などが利きそうな動物系が多く、中にはコウモリなどの超音波でこっちの位置を把握しそうなのまでいる。

 …………今の状況で、学園を脱出するのは難しいか………まあ、それも予想通り。って事で、予定通りどっか隠れられそうな所を探すか………。

 そう思って、俺は降りても問題なさそうな場所を探して、オウキをゆっくりと飛行させる。

 俺の考えでは、逆鬼ごっこ参加者は、日が沈むにつれて減る。はず。

 まあ、いくら普通じゃない学校とは言え、夜まで学校が開かれているわけではない。

 だから、学校が閉鎖されるギリギリまで粘れば、自然と帰らざる得ない逆鬼ごっこ参加者が増えてくる。町外から来ている生徒も多いことからして、それは間違いないと思う。

 ……もっとも、これは参加者側も当然気付いていることだろうから、逆鬼ごっこ参加者に出来る限り学校に残れる者を選抜している。はず。そう考えると、学校内に寮がある事からして、その連中が逆鬼ごっこに参加している確率は高いだろうな………まあ、そんなに多くはいないはずだから、今よりは大きく隙が出来る可能性が高い。

 だから、それまで見つからなさそうな場所に隠れないと………お?あそこなら隠れるのに丁度いいかな?

 上空から見つけたその場所は、『いかにも誰も使っていなさそうなぼろい道場』だった。

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