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間章その一『星波学園の人々』32

  ★夜衣斗★

 「範囲だが、学園敷地内ならどこに逃げてもいい。ただし、登校時は学園の外に出ると我々からペナルティがある」

 ペナルティ?

 「ペナルティは学園内清掃や学園一周などだ」

 っげ!それはかなり辛い。

 「開始の合図は、理事長宅にある鐘楼の鐘で行う。今日は私の指示で鐘が鳴るが、明日からは、登校時は学園大門の生徒カードを使った瞬間、下校時は教室から君が出ると同時に鳴る様になる。そして、その鐘が確認されてから一分後に、もう一度鐘が鳴り、それが君を捕まえる側の開始の合図となる」

 ………なるほど、一分しか余裕はないのか………む〜短いのか長いのか……よくわかんないな。

 「終了の条件は、君がどこかの拠点に連れて行かれるか、登校時はホームルームが始まる五分前か、君が教室に行くかで終了。下校時は君がこの学園の外に出る事により終了になる。なお、下校時のみ、逆鬼ごっこ期間中のみだが、学園大門で生徒カードを使わなくていい。つまり、学園のどこからでも出てもいい事になっている。ただし、学園の外に出たら、星電に基本登録されている統合生徒会事務局に電話をしてくれ。それにより、位置確認がされ、逆鬼ごっこの終了の鐘が鳴らされる」

 ……なんだか色々と面倒になってきたな……。

 「以上で細かな説明は終わりだ。何か質問はあるか?」

 ん〜特にない……か?……まあ、なる様になるしかないだろう。

 そう思って、俺は首を横に振った。

 「そうか……時間も無い事だし、そろそろ始めようか?………分かってるとは思うが、遅刻しない様に」

 っち、遅刻しない様にって……いや、まあその通りなんだろうが……ん〜待ち伏せされてたら難しくないか?……いや、捕まえ側も同じ条件なんだし、遅刻ギリギリの時間になれば待ち伏せは減るか。ギリギリまで粘れるのは、同じクラスの奴らか、近くのクラスの連中ぐらいだろうし……まあ、向こうだってその事を分かってるだろうから、そう言う連中を主体にしてるだろうな……む〜。

 などと考えていると、何事かを携帯電話で話していた副会長が携帯を切り、俺を見た。

 「今から三十秒後に鐘が鳴る。それを合図に、逆鬼ごっこはスタートだ……では、健闘を祈る」

 そう言って副会長は俺の近くから離れる。

 ……なんだか、先ほどから俺に向けられている無数の視線に、熱が込められ始めてるような気がする。

 あ〜嫌だな……まあ、そんな事言ってらんないんだろうけど………ん〜とりあえず、昨日から色々と考えてはみたが……上手くいくんだろうか?そもそも、俺は美羽さんが言った通り、経験不足は否めないし、知識としても圧倒的に不足している……まあ、そんな事を言い出したら限がないが………。

 などと考えていると、だんだん緊張が強くなってきた。

 そして、緊張のあまり生唾を飲んだ瞬間、逆鬼ごっこの合図の鐘が鳴った。

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