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間章その一『星波学園の人々』31

 「では会長の問いの返事を」

 ……まあ、何とかなるだろう。登校と下校の学園にいる間だけの逆鬼ごっこだ。その為の作戦もいくつか考えているし………。

 「……俺は、どこにも所属する気はありません」

 「……そうか」なんだか一瞬、面白そうに、興味深そうに副会長が笑った気がした。「では、逆鬼ごっこに関する説明を、参加者達の前で行う。付いて来てくれ」

 そう言って、副会長は武装風紀達を連れて学園大門に向って歩き出したので、俺もその後に続いた。


 その光景を見た時、俺は思わず一歩身を引いてしまった。

 ……いや、何と言うか、一言で表すなら、人の壁って奴が学園大門の先にあったからだ。

 いやいやいやっちょっと待てって、注目されているのは分かっていたが………想像力不足だった様だ。う〜む………最悪。

 「逆鬼ごっこに参加する部活・同好会は、各部活各同好会一つに付き三人までなんだが……まあ、それだけ君が注目されているって事だな」

 ………えっと、つまり、この学園には部活・同好会が少なくとも二百ぐらいはあるって事か?……本当に色々な面でおかしな学校だ。ここは……


 「逆鬼ごっこの基本ルールは昨日聞いているな?」

 ……えっと確か、捕まって拠点に連れて行かれるとその拠点の部活・同好会に所属させられる………だったか?……なんだかな……まあ、とりあえず頷く俺。

 「ではここでは細かなルールを説明する。まず武霊だが、人を傷付けなければ、それ以外は制限はない……つまり、この逆鬼ごっこは武霊を主体とした武霊鬼ごっこだと思ってくれてもいい」

 ……なるほど……まあ、それは予想通りか……じゃなきゃ、武霊使い……と言うか、男一人を捕まえて、どこにあるか知らないが、拠点にまで連れて行くなんて出来はしないし、逆に逃げきるのがかなり難しくなる。自慢じゃないが体力の無さには自信がある………どんな自信だ……

 「だが、いくら武霊の使用が許されているからと言っても、過剰な使用は許されない。常識の範囲内の行動を心がける事。………なお、この逆鬼ごっこは、各武霊使いの資質・人格を見極める為に行われるものでもある事は思えて置いてほしい」

 ……資質・人格ね……まあ、確かに極限状態の方がその人の本質は見やすいだろうが……なるほど、これは新しくなった武霊使いの『危険性を測る為でもある』のか……これで万が一どの部活に所属しなくていい許しが出ても、逆鬼ごっこ中の行動次第で、武装風紀から要注意人物にされる可能性があるって事だ。ふむふむ。そう言う意味で逆鬼ごっこはよく考えられているなぁ〜。流石、自警団団長を長年やる人が考えたって事か。

 「また、逆鬼ごっこ終了二日前には、我々武装風紀も参戦する」

 っで、部活・同好会所属の武霊使い達から逃げ回れるぐらい力がある武霊使いなら、武装風紀の即戦力になるってわけだ。人材調査と確保も兼ねているってわけか……むむ!抜け目がない………はぁ。

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