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化け物少女と少年。  作者: 毎日笑顔(о´∀`о)
2/5

2人は出会い、彼女は拒絶する。

対"魔"学校。正門の前に立つ少年。


「おーい、海斗ー。こっちこっち。」


「ん?…あぁ、幸助か。もう来てたんだな。」


「まぁねー…しっかし、大きいよね、この学校。どっかの物語に出てくる"城"みたいだよね。」


「そーだなー…。」海斗は3つの大きな建物を見上げた。


「この学校はね、大きく3つに分かれてて、真ん中の大きいのは、俺らが色々学んだりする場所で…右にある、家をそのままいっぱい引っ付けたみたいな建物は、俺らが住むとこだね。で、左にある大きいのは、訓練用の"魔"と戦ったり…今日俺らがランク分けのために戦うとこ。」


新入生は入学してすぐにランク分けがされる。その方法は、訓練用の"魔"と戦い、5分間でどれだけの"魔"を倒す事ができたかを見る。5分間で20体ならSランク、15体ならAランク、10体ならBランク、5体ならCランク。3体ならCランクとなる。


「もの知りだよなぁ、お前って。」


「へっへーん。そーでしょ?もっと誉めてー…って…あっ!」


「自分で"誉めてー"とか……ん?急にどうした?」


「え?あぁ…いや…あれ…。」


「あれ…って…何だよ…ん?人だかり?中心にいるのは…女子か…。誰だ…?」


「えっ?知らないのっ?はぁ…本当に海斗ってそういうのに疎いよね…」


「うるせー…で?知ってるんだろ?」


「うん。あの子は西條百合ちゃんって言うんだよ。んで、Sランクがほぼ確定してるぐらいすーっごい強いんだってー。綺麗な子だよねー…。」


「…ふーん…西條…百合か…」(なんか…気になるな…)


「あっ気になる?まぁ、海斗が一番ほっとけないような子だよねーまぁ頑張れ。」


百合はそんな会話も周りの人だかりも興味がないように歩き進む。「何でこんなにうるさいの?…」そんな呟きもかきけされる……。


「あー…そろそろ行かないと。行こう、海斗。」「あぁ。」

海斗と幸助は歩き出す。


そして、ランク分けの戦いが始まる…。

最初の生徒が終わり、順調に次々と戦いを終えていく。

百合は見ていた。ただ見ていた。そこに、一人の少女が近づく。


「ねぇ、あなた西條百合よね?」


「……」


「ふんっ、答えない気ね。まぁいいわ。私は白石茜。よろしくね?」


「私に、何か用があって話しかけてきたの…?」


「そうね、単刀直入に言うわ、私はあなたが大嫌い。あなたみたいになんの努力もしてないような人なんて。わかる?」


「……」


「まぁ、わからなくてもいいわ。…そろそろ私の番だからいくわ。じゃあね。」


「…なんの努力もしてない…そんなわけないのに…」


その後も次々に戦いが終わり、ついに百合の番がくる。


百合の魔器は魔力が高いため4つある。刀、鎌、2丁拳銃、大剣。

この4つを使いこなし戦う。たったの5分。普通の人間なら5体が限界だが、百合は普通じゃない。2分で15体以上を倒す。20体倒すのに時間はかからなかった。当たり前だった…。


でも、百合以外には普通じゃない。ただすごいと思う者、嫉妬する者…さまざまだった。


百合が自分の席に戻るために歩いていると集団に囲まれた。


「おい、西條百合。お前調子乗んじゃねぇーぞ。」


「そーだ。強いからって何なんだよっ!」

「……」


「おい、聞ーてんのかっ!おいっ!」ある男子が百合の肩を押す。


「いいかげんにしっ「いいかげんにしろよっ!お前ら!」え?」


「…あ?誰だお前?」


「誰だっていいだろ。それよりお前ら何やってんだよ!」


「何って、調子に乗ったやつに、調子に乗るなって言って何が悪い?こんな化け物女どうなったって誰も心配しないだろ。」


「……ぃってんだよ…なに言ってんだよっ!調子に乗ってる?…ふざけんなっ!誰よりも努力してるから強いんだろっ!お前らとは違うんだよ!それと…どこをどー見て化け物なんだよ。」


「何なんだよお前っ!急に出てきて!うるせーな!」


「お前も調子に乗りやがって…消してやる。」一人の男子が雷の玉を自分の周りに出す。


「俺はお前なんかと戦わねーよ。」海斗は肩の力を抜く。


「ふっ、そーかよ。じゃあ消えっ「はーい。そこまでね。」



「……あ?なんだよ邪魔すんなよ!」


「邪魔?お前らの方が邪魔なんだけど?それに俺は邪魔しに来たんじゃないし…ただお前らを止めてもらおうとしただけだよ」


その様子を見ていた生徒たちの中から一人が歩いてくる。その一人をみた生徒たちは目を見張る。


「なっ!校長先生…。」


戦闘体制だった男子生徒は驚いて雷の玉を消滅させる。


「あなたたちは何がしたいのですか?喧嘩をしたいというなら止めはしません。ただし、今日という日に問題を起こしたことは許されませんねぇ。…ということなので、あなたたち、先に喧嘩を売ったので…この学校への入学を無効とします。」


「えっ?何かの冗談じゃ…」


「冗談じゃありません、今決めました。はい、ということなので帰りなさい。また来年、お待ちしていますよ…。」


「くそったれっ、お前のせいだぞ化け物女っ!」


「……私は何もあなたたちにしてない。迷惑もかけてない。私のこと何も知らないくせに勝手なこと言うのなら私があなたたちを怪我させてもいいけど…?」


百合の周りに黒い魔力がまとわりつく…男子共を怯ませるのにはそれで充分だった。


「くっ!」男子生徒たちは顔を歪ませ去って行った。


「怪我は無いですか…?百合。」「…無い。大丈夫。」


「それは良かった。では、私は戻ります。」


校長はそれだけ言うと消えて行った……。生徒たちも何もなかったように戦う者に視線を戻す。百合も自分の席に戻ろうとした…が、できなかった。腕を掴まれた。


「…何?」「…なぁ、大丈夫だったか?」


「さっきも言ったけど、大丈夫。」


「そうか、良かった…。なんか、ごめん。…勝手に色々と…お前のこと何も知らないのに…。」


「…いい。ありがとう。助かった。…でも、もう私には関わらないで…。」去って行く。


(なんだよ、その顔…。)


「おいっ、まっ「海斗っ!もー止めときなよ。」


「…でも。」


「これ以上言ったら嫌われちゃうよ?またチャンスはあるよ。それより、海斗の番だよ。行ってらっしゃい。」


「…悪い。行ってくる。」真っ直ぐ前を向いて歩き出す。必ず百合と同じランクになるために…。


(いつも人のためじゃん…)幸助は親友の背中を見つめる。


春。化け物少女と少年は出会った…。










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