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始業式の朝
まだ一月、東京だから雪は降らないがとてもとても寒い時期。
今日は始業式、みんな久しぶりに会ったせいか通学路がとても賑やか。
「はぁ…学校嫌だな…。」
僕はため息をつきながら通学路を歩いていた、そうすると後ろから親友の大介がやってきた。
「どうかしたのか、優斗?」
「大介…、ただ学校がいやなだけさ…。」
「俺は優斗に会えるだけで嬉しいから学校が好きだな。
まあ、俺も勉強とかは苦手だけどな…。」
優斗は微笑みながら俺のことを抱きしめる。
「暖かい…って、誤解されちゃうよっ!?
大介には好きな人がいるんでしょ?」
「慌てちゃって可愛いな」
大介の笑顔…いつもこれで許してしまう僕がいる。
「あっ、いけね…。ちょっと用事があったんだ…。
俺は先に行ってるから、帰りにまた話そうな。いつも通り裏門で待っててくれ。」
「うっ…うん…。」
大介とはクラスが違うから朝と帰りくらいしか話せない。
だから、僕らはいつも人が少ない裏門に待ち合わせて帰るようにしている。
「放課後まで憂鬱だな…。」
僕は1人で通学路を歩いた。