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異界のストーリーテラー  作者: バルバダイン
第一部 「イダヴェル戦乱編」
7/65

第五話 「騎士団長代行補佐」

いつもありがとうございますー。

読む→評価する→わたし元気

三段活用でいってみました。

 しばらくして正式に布令が出され、ゼフィア・エンフィールドは外交特使として各国を周り、バルディスの親書を届ける任に就いたと発表された。


 口さがない噂もあった(それ真実)が、多くはゼフィア様ならそのような大任もこなせるだろうというものだった。


 同時に宮廷騎士団の人事更新が発表された。


 ゼフィア・エンフィールドは騎士団長の職に据え置かれることになった。


 議論はあったらしいが、解任や降格では動揺を招くということで名称はそのままとなった。


 ところがそれで混乱したのが、それ以下の人事だった。


 バルテルミを実質騎士団長に据えたかったのだが、現職の副団長ではまずいし、団長補佐にしようにも団長は不在。


 仕方なく臨時に置かれる団長代行という職に任じられた。


 ここまでは僕も知っている、とうか作中でちょっと触れた。


 そして空席となった副団長にはザックラー・ウェズレイ世話役が繰り上がった。


 世話役というのは新人の教育責任者で雑用もやらされる。


 さて問題はここから。僕の扱いだ。



 世話役にしようというウェズレイ案を僕は断固拒否。


 客分が世話役だといわゆる指南役という性格になってしまう。


 そんな当代随一の剣豪みたいな肩書きはまずい。


 あと客分でフラフラしようとしても新人教育という慣れない大役があっておちおちサボれない。


 副団長を複数にするのもよろしくない。


 副団長といえば実質現場を取り仕切る。


 王都騎士団との連携も役目となる要職だ。


 右も左もわからない奴にはつとまらない。



 騎士団の政務を担当する大臣は王の決定に不服そうだった。


「では一体このメルレン・サイカーティスなる者は何をするために騎士団に籍を置き、何ができるのですかな」


 すいません。


 何をしたらいいのかわからないし、何かしようとも思ってないし、取り立てて何ができるわけでもありません。


 何ならクビでもいいですよー。


「魔法剣士の技は一朝一夕に学べるものではありませんが、魔法兵や魔術師に対抗する手立てがいろいろと見出せると思います。我が国には宮廷魔道士はおらず魔法兵団もありません。魔法後進国といってもいい。すわ戦だという段になり、いつまでも市井のまじない師や遠くの森の賢者の助力を乞うているようでは国が滅ぶやもしれません」


 バルテルミ過激だー。


「軽々しく国が滅ぶだのと口にするとは何たること!いかな騎士団長代行でも不敬に値しますぞ!」


 大臣応戦。


 王様割って入る。


「よさぬか。おぬしらの話では戦を前にした会議かと思うてしまうぞ。今はメルレンの役職を決めるというだけの話ではないか」


 二人は憮然と座り、ウェズレイはニヤニヤしながら挙手。


「あー、どうせ前例が無いんならなんでもいいと思うので、騎士団長代行補佐とかでいいんじゃないですか?略して補佐」


 てきとーすぎる。


 だがそれぐらい曖昧なほうがいいな。


 偉いんだか偉くないんだかサッパリわからないレベル。


「わたしは粗忽な田舎者で浅学非才の身です。捧げられるものは、このような身を取り立ててくださったグレティル陛下への忠誠をのぞいてはなにもありません。なんの職責を果たせるとも思えませんので、何卒補佐というウェズレイ様のお考えを取り上げてくださるようお願いします」


 でまかせ発動。


 大臣は反論がないのか瞑目。


 バルテルミも何も言わない。


 王はそれらを見回すと、うんと頷いて


「よし、ウェズレイの言った通りにする。メルレン・サイカーティスはわが栄光あるバルディス宮廷騎士団の団長代行補佐に任ずる。励むがよい」


「ありがたき幸せ」


 「団」を「室」に変えると、室長代行補佐。


 なんだか定年間近の窓際の人が貰う役職みたいだな。




 さて補佐に与えられる待遇はといいますと


 ①俸給、月に金貨五十枚、日本円でいうと五百万円。しかし何に使っていいのかわからないぞ。ゲームとかDVDとか買えるわけでもないし・・・は!ちょっとピンクな店に通う・・・いやないな。ちょ、貯金しようかな。冗談はさておき、これで武器防具の整備、旅費、食費、自己鍛錬の経費とかをまかないます。


 ②お屋敷、これは王都の比較的立地のいいとこに一家と召使いが充分住めるようなお屋敷をもらえます。もれなくついてくるのが、執事一名、ハウスメイド二名、コック一名。これ以外に人手が欲しい場合は俸給から雇用する。


 ③従者、荷物もちだったりちょっとした助っ人だったりする騎士見習いの少年。大概は貴族の子弟や騎士の子。見所ありと判断された一般の若者もいる。


まさか戦国武将みたいに稚児を嗜むのが戦国の倣いとか言うんじゃないかと思ったけどそんなことなかったです。


 騎士は貴族になるけど、領地はありません。


 代わりが俸給です。


 手柄立てて昇進すると領地が貰えて男爵位になります。その時点で俸給は打ち切られ、お屋敷も返します。ただし所領を運営して出た利益は全部領主のものになります。




 補佐な僕にももれなくセットがついてきました。


 目抜き通りから一本入った路地にある立派なお屋敷。


 ただし庭は中庭程度のものがちょこっとあるだけです。


 しかし二階建てで部屋数も十二。 

 一部屋も大きくてちょっと寒々しいかも。


 執事はいかにもTHEバトラーというかんじの爺様。


 背筋もピシっと伸びててかっこいい。



 ジェラード・カーマインさんというそうだ。


 なんでも以前は男爵の執事をつとめていたそうだが、男爵が老齢で亡くなられて世継がなく、カーマインさんも引退したらしい。


 ベテランだ。

 

 まかせっきりでいいだろう。


 ハウスメイドは貫禄たっぷりのコックニーさんと若いがおどおどしているエレインさん。


 コックは長身の僕より更に背が高い大男、どうみても山賊の頭領みたいなランドルフさん。


 彼らの雇い主は僕ではなく王城になるので、給金は国から支払われます。


 公務員てことかな。


 そう考えるとこのお屋敷も官舎ってことになるのか。


 僕は彼らのご主人様ではなく、カーマインさんは管理人さん、コックニーさんとエレインさんはキーパーさん、ランドルフさんはまかないさん、そして僕は単なる入寮者ってことなのか?


 お世話になりますー。



 

 もう一人の公務員、僕担当の従者は「見所のある若者」枠の男子だった。


 アルタイ・ウォーデンス。


 アル君だ。


 御歳15歳。


 まだまだ子供の雰囲気を残している。


「僕、メルレン様の従者を拝命して凄く嬉しいです!バルテルミ様との試合見てました!」


 わー、やりにくいー。


「そうですか。魔法剣士なんて奇術師みたいなもので褒められた戦い方ではないですがね」


「そんなことありません!メルレン様ならゼフィア様とも互角に戦えると信じてます」


 キラキラ。


 強いは正義。


 せいぜいアル君の期待を裏切らないようにしないとならないなあ。


 あとは、近日中に宮廷騎士団仕様の鎧が1領届くことになっている。


 希望を聞かれたので、軽装な方がよいと答えたら鎖帷子を用意するとのことだった。


 それが制服みたいなものなので、それを着たら出かけてもいいらしい。


 勝手に出かけてもいいか?と聞いたら王は笑って


「騎士の任務を作ってやるから待て」


 と言われた。




 お屋敷にはちゃんと書斎があって、豪勢な造りの書卓が据えられていた。


 僕は折角なので例の肩下げカバンを持ってきて、中からルーズリーフとシャープペンを取り出した。


 プリンターで印字されたような1枚目をバインダーに閉じて、白紙の紙に向かう。


 とりあえずは日記のように、この世界に来てから今までのことを、なるべく具体的に書いていく。


 表現や描写はあとで推敲するときに加えるので、今は事実のみを写実的に記録していく。


 これだけめまぐるしければそれだけでも大変な量になる。


 細かい字でびっしりと書いていったが結構枚数を使った。


 いつもの手法だ。


 こうやってルーズリーフやコピー用紙に殴り書きしてから、それを片手にワープロソフトに向かう。


 殴り書きを読みながらちゃんとした文章に起こしていく。


 今日のことまで書き終えてペンを置く。


 そうか、今日はもう紫の月の十日だ。


 七八一年はまだ半年残しているが、明けて七八二年は初頭からちとまずいことになる。


 イダヴェル帝国が実際に軍を動かすのが灰の月、つまり十一月。


 イダヴェルの主力三軍の中でも、もっとも精強なメニヒ・ウォーレンナック率いる第一軍がバルディスに侵攻する。


 そして七八二年白の月、年明け早々には十五万の強力な帝国剣術団アークロイガー第一軍と帝国魔術団アトラーヴェイ魔法兵団千人が王都を襲撃する。


 結果、王都はイダヴェルに蹂躙される。



 

 王は逃がされ、バルディスは後に再興するのだが、王都の戦いでの被害は甚大なものになる。


 これは既定のことだ。


 変えられない。


 しかし、


「ここにスポットライトはこない」


 戦いの結果が作中に登場するが、戦い自体は描かれない。


 どこで誰が死に、どんな状況になったのかは描かれないのだ。


 ならば、やりようがあるのではないか。


 王都が落ちても被害を少なくする方法はある。


 誰も死なず、何も焼かれないというのは無理だろうが、一人でも救うことができるかもしれない。


 それはきっと何もしないよりはましだ。



 

 この世界に来てからのことを書き綴っていて思った。


 僕は確かに王やゼフィアやバルテルミやウェズレイを作った。


 でもカーマインさんやアルやアネカを作ってはいない。


 それでも彼らはちゃんと存在するし、生きている。


 僕が描いていない世界がここにはたくさんある。


 というよりは僕の描いたほんの一部と描いていない他全てで世界は形作られている。


 僕はこの世界に残酷な出来事を投げつけた。


 自己満足に過ぎなくても、僕の生み出したこの世界にできるかぎり最良の結果を残してやりたい。


 よし。




 王から下された命は「大賢者オーベイを王都に招く」、という無茶なものだった。


 人のことなんて聞きゃあしないじじいなのだ。


「グレイエルフの誼でなんとかしてみせよ」


 いや無理。


 王はそのへんもさすがにわかっているようで


「できれば招いてくれ」


 とこっそり付け足した。


 徒歩で行けば多分片道二ヶ月半。


 往復すればほぼ黒の月(十二月)。


 それはまずい。


 イダヴェル侵攻までの時間がなさ過ぎる。


 馬で行くしかないか。


 でも馬乗ったことないな。


 メルレンは乗れるだろう。


(……)


 乗れないのかよ!


「あとは旅に際して道中危険を伴うやもしれん。道連れを何人か選んでおくように」


 旅の仲間っすか!


 背高い人と小さい人とか必要っすか!?


 従者のアル君はまあ必須だろうなあ。


 あとどうするよ。


 冒険者ギルドとか行くのか?


 いやこの世界にそんなのないな。


 冒険者っぽいのが生計立ててるのはヒヤルランディくらいか。


 傭兵を雇うのか?


 山賊、モンスターの類なら自前でどうにかなりそうだけどなあ。


 まあ、誰かに相談してみよう。




 相談者、ウェズレイ君。


 最初バルテルミのとこ行ったんだが、あいつほぼ王都から出たことなくて、まったく参考にならなかった。


「よし俺が行く」


 あーダメだ、また相談する人間間違った。


「なんだよ、そんな顔すんなよー。王都に閉じこもってるの退屈なんだよー」


「陛下をお守りしてナンボの宮廷騎士団でしょうが」


 こいつキャラ崩しすぎだな。


「あとわたしは馬術が全然なので誰か教えてくれる方も紹介していただきたいのですが」


「よし俺が教えてやる」


「……よ、よろしくお願いします」


「ナンだよ、その間は」


 馬術教官だけはお願いすることにした。




 相談者、カーマインさん。


「なるほど。それでしたら酒場で声をかけるのもよろしいかと」


「酒場って冒険者探すんですか?」


「王都にはあまり冒険者はおりませんが、隊商の衛士などはいるかと思います。彼らならば地理にも明るく、野営の知識も豊富です」


 さすがカーマインさん。


「そうですか、どこの酒場がオススメですか?」


「宿の値段により、ついている衛士のランクも変わりましょう。高い宿にいけば裕福な商人が宿泊しているはずですから、衛士の腕もたち、人数も多いと思います。ひとりふたりならことわりを入れて引き抜くことも容易でしょう。屋敷のすぐそばになかなか高級で人気も高い宿がございますよ」


「それはちょうどよいですね。なんという宿ですか?」


銀杏(いちょう)の並木亭です」


 うん、そんな気がしてた。




 ランドルフさんに夕飯はいらないと告げて、銀杏(いちょう)の並木亭に向かう。


 結局冒険者の酒場でパーティ組むのかよ。


「こんばんわ」


「メルレン様!ご利用ありがとうございます。お泊りでしょうか」


 アネカが今日も受付だ。


「いや今日は食事に来たんです。あと騎士団にお世話になることになりまして、この近くにお屋敷を用意していただきました」


「まあ!」


 アネカは目を丸くする。


「王都にきて1週間ほどで騎士となられるお方など初めて聞きました。メルレン様はよほどお強いのですね」


「いやあ」


 ポリポリ。


「早速陛下より任務をいただき、東の方へ少々遠出することになったのですが、多少人数が欲しいと思いまして、屋敷の執事からこちらで商人の衛士を借りてはどうかと助言されたのです」


「そうですかあ。しかし、残念なことに即位式でにぎわっていたのですが、観光の方が引き上げるのと同時に商人の方々も王都を発ってしまわれまして、今はいらっしゃらないんですよ」


 まじかー。


「仕方ありません。またまた大きな隊商の方がお泊りになることがありましたら教えてください」


「ええ、もちろん」


 うーん出直しかー。


 と、思ったら


「メルレン殿ー!」


 は!この声は。


「バルテルミ殿」


 ここの常連ってわけか。


 相席となり事情を話す。


「そうですか、わたしが同行したいのはやまやまなのですが、団長代行としてゼフィア様の仕事を引き継ぐ内容が多くて・・・」


「いやいやまさかバルテルミ殿にご迷惑はかけられません。主命をいただいたとはいえ、オーベイ殿のところへ向かうのはあくまで私用なのですから」


 夕食をとりながら、ワインをまた飲みながら話す。


「一人、心当たりがいるにはいるのですが・・・」


 なんだかはっきりしないことを言い出すバルテルミ。


「心当たりですか?」


「ええ、見習いから騎士に取り立てられたばかりの私のいとこです。家元はヴィクセン伯爵と言いまして、バルディス東部の所領で千年森あたりは伯爵領になるのです」


「おお、それは心強い。野盗、怪物の類はどうにかなりそうですが、地理が不案内なのが心細かったのです」


「そうですよね。・・・わかりました。明日午後に王城のわたしの部屋までおいでください。お引き合わせします」


「ありがたい!」


 なんだよ、つかえるじゃん。


 これであとは馬に乗れるようになればOKだな。


 お礼に今日の飲み食いは僕の奢りにしといた。


 遠慮したのかワイン2本だったのでバルテルミは気絶しなかった。




 翌日、午前中はウェズレイに乗馬でしごかれた。


 初心者にありがちで、最初は馬になめられた。


 これはいかん。がつんといっとくか、とウェズレイが見てない隙に馬にヘッドロックをかけて耳もとで囁いた。


「おい畜生。なめてるとたてがみむしるぞ・・・」


 超ガン飛ばした。


 以降馬は非常に従順になった。


「いい筋してるなあ。でもその馬なんか元気なくなった気がするなあ」


「気のせいじゃないですか?性格がおとなしい馬なんでしょう。初心者向きで助かりました」


「いやあ、いた馬の中で一番荒っぽいのを連れてきたんだがなあ」


 笑うウェズレイ。


 おい、てめえ。


 ケツが痛くなって困ったが、無事午前の部終了。




 従者のアル君がランドルフさんが作ったサンドイッチを持ってきてくれた。


 練兵場併設の休憩所でお昼ご飯。


「アル君も食べてください」


 差し出すとぶんぶん手を振る。


「そんな!ご主人様と一緒に食事などもってのほかです!」


 いや、それ召使いの心得だろ。


 絶対勘違いしてる。


「君は見習いとはいえ騎士なのですから、わたしと一緒に食事をすることになんの問題もありません。いいですか」


「いや、でも」


「いいから座って食べなさい」


「はい!」


 強めに言うと、ピョーンという勢いで座った。


「いただきます」


「はいどうぞ」


 サンドイッチに手を伸ばし頬張る。若い子が遠慮しちゃいかんね。


「これを食べたらバルテルミ殿のところへ行ってきます。片付けをしたら屋敷へ戻っていてください」


「はい、わかりました」


 基本アル君は素直でいい子だ。


 キラキラするのが多いが。


 その気になったら少しは剣とか教えてあげよう。




「失礼します、メルレンです」


「どうぞ、お入りください」


 団長室にお引越ししたバルテルミ。


 入口にはちゃんと「団長代行」と書いてある。


 なんか微笑ましい。


「お待ちしておりました」


 中に入ると、応接セットに一人の若い女性。


 女性?


「こちらが昨夜お話した、わたしの従妹(・・)、ヴィクセン伯爵令嬢にして新米騎士のサラ・ヴィクセンです」


「はあ」


 女だったのかー。


 サラは立ち上がりながらこちらを振り返る。


(おー!すげー美人)


 バルテルミにどことなく似ている。


 美形の血脈とみた。


 腰までの緩やかにウェーブのかかったロングヘアはライトブラウンで光沢が強い。


 意志の強そうな眼、きりっとした唇、通った鼻筋。


「初めてお目にかかります。わたくしは古の森のグレイエルフにして陛下より騎士の位を授かりました、メルレン・サイカーティスと申します」


 レディの前なのできっちり30度曲がって礼をする。


「この方がお兄様と互角に戦ったのですか?とてもそうは見えませんけど」


 え?


「サラ!メルレン殿は陛下が直々に団長代行補佐に取り立てられた方だぞ、無礼は慎め!」


 え?


「わたくし、自分の目で見ないものは信用できませんの」


 わあああああ!ツン子だああああ!


「しかもお兄様と互角などと・・・お兄様はなぜ手加減されたのですか!?」


「サラ!わたしは手加減などしていないぞ!メルレン殿は一流の剣士だ。侮辱することはわたしが許さん」


「ふん!」


 えーと、バルテルミさん?これを旅に連れてけと?


 このクソ生意気でどうやらバルテルミ萌えなヤツを??


 どうりで言い出す前に悩んだワケだわ。


 これ無理じゃね?


 コイツがまず第一に承知するわけねえって。


「何やらわたくしに道案内をしろとか厚かましいことを頼みたいそうね」


「サラ!」


「条件があるわ」


 ちなみに僕はまだ挨拶の姿勢のまま硬直中です。


「お兄様と互角と嘯く腕前、わたくしに披露してみせなさい。わたくしから一本取ったら道案内でもなんでもしてあげるわ」


「サラ!」


 うえー、また勝負ですか?


 バルテルミよう、あんまお前と変わんない気がしてきたぞ。


「つたない技なれど、一手ご教授ください」


 でも僕ジェントル。


「いいわ。教えてあげましょう」


 ヴィクセン伯爵ー、てめえの馬鹿娘に礼儀仕込めや!

はい、ヒロイン候補だした。

こいつってデレるのかなあ・・・

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